運命の人。*Hiroomi.T*

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雅哉って男の名前を呼ぶAちゃんを思い出す

Aちゃんは俺の苗字しか知らないし
それを呼んでもくれないし
名前を聞くこともしてこなかった


でも、俺はAちゃんに名前を呼んで欲しいんだ



優しいAちゃんに依存してるだけじゃないか
とか考えたけど
こんな気持ち初めてだったから
真美にも感じたことない感情


真美が不倫相手の元に行くよりも
Aちゃんが彼氏の元に行くことを考えただけで
こんなに苦しい、胸が痛くて仕方ない


Aちゃんのこと考えただけで会いたくて
ドキドキして、触れたくて、身体が熱くなるんだ


だから、真美に伝えた

別れてくれって

「別れるなんて言わないで！
ごめんなさい！スリルがあって抜け出せなかっただけなの
私が好きなのは臣だけだから」

「もう俺らムリだって
柴木先輩が好きなんだろ、そっち行けよ
それに俺はひとりしか好きになれない
好きな人できたから、真美とはいられない」

「ごめん、、なさい……
私が悪いのはわかってるけど
嫌だ、別れない」

「真美は自分を好きな奴を失うのが怖いだけだろ
でも、俺はもう真美のこと好きじゃないから」

「臣はずっと私のこと好きでいてくれたじゃない！
そんなこと言わないで！」

「真美が好きなのは自分を見てくれる人であって
俺自身じゃないよ
真美別れよう」

「臣……。。私別れるからお願い」


「俺はもう何にもできないよ
真美といる将来も描けない
真美に愛情が残ってない」

真美が泣いてるのに
苦しくならない


Aちゃんが泣いてたあの声は
胸が張り裂けそうだったのに

気付くのが遅くなったけど
俺はAちゃんに惹かれてる


きちんと真美とは別れてAちゃんに
気持ち伝えたい

ずっと俺のこと考えてくれたAちゃんに
ありがとうって

あと振られるかもしれない
でも、俺努力するから気持ち伝えさせて？


「柴木さんだって私だけを見てくれない
ひとりはいやだ」


「ほら、俺が好きなわけじゃないじゃん
真美、俺らもう終わってたんだよ」

本格的に泣き出した

俺の部分だけ埋まった離婚届をテーブルに置いておいた


朝起きたら真美の部分も埋まってて

離婚届くらい最後に一緒に出しに行こうってことになって

会社が休みの土曜ふたりで提出して
近場で飯食って帰ってきた

これからの話をして
真美から不倫の始まりの話をされた


俺が悪かったのかな……

でもこれでリスタートが切れる

契約最後の日までに別れられて良かった

3→←好きじゃない。

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