運命の人。*Hiroomi.T*

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さっきのことを思い出して辛くなる



また涙が出てくる


「苦しいよ……好きっ、、好きなのー、うわぁーん」



あと3週間の契約



半年で約束したから


この契約のきっかけは
彼の奥さんの不倫


彼は私の職場のカフェの常連さんの登坂さん
私と彼はよく話す仲で
コーヒーのおかわりを注ぎに行った時
清水さん浮気されたことある？と聞いてきたのだ


私自身はないけど
私の母が不倫されていて

私が高校を出てこのカフェで就職したと同時に
離婚した


信じていた人に裏切られたという意味では
同じですね……なんて
その話をした時に
彼が自分の奥さんが不倫してると言ってきたのだ


自分のダメな所しか浮かばないという彼


私は一生懸命励ました

だってこのカフェはケーキや焼き菓子も
売ってるんだけど
仕事終わりの彼はよく奥さんにお土産って
甘いものを買って行った

たまに奥さんが可愛い、好きなんて
惚気話も聞いてたから

可哀想に思ったの



「奥さんのこと大切って想いがあれば
必ず戻ってきてくれますよ！大丈夫です！」

「うん、、清水さんありがとう」



緩く笑った彼を見て
心配という感情が生まれて

カフェに来るたび大丈夫ですか？なんて
声をかけた




彼は最初こそ強がってたけど
段々、大丈夫じゃないかもとか
ちょっと辛いとか本音を言うようになって


数週間が経とうとしてた時


「清水さん仕事終わりまで待ってていい？」


その日だった

契約を持ちかけられたのは



奥さんが自分の存在に気付くようにと
こっちも不倫してやりたいってことだった



「でも、あなたにも相手がいるなら
離婚しましょみたいになったら
どうするんですか？」

「それは、、どうしよう……」


「辞めておきましょう？
ちゃんと想い続ければ奥さんも
分かってくれますよ」

「いつまで想ってればいい？
俺、、辛い」




1度は断った話だけど
可哀想で仕方なかった

「私で良ければやってみますか？不倫」

「いいの？」

「いいですよ」


そうして始まった

無力な私。→←契約。

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