はじめて。*Takanori.I*

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ピクニックデートの妄想をしながら

私の教科書

少女漫画を読んでた

14時が過ぎた頃寝室の扉が開いた


「ふぁ〜眠い……」


寝癖のついた髪で起きてきた剛典さん


「おはようございます」

「昼過ぎてるけどね、
仕事前に一緒にご飯行こうか」

「え？」


「恋人なら一緒にご飯行くじゃん？」


お食事デート！



「すぐ支度して来ます！」

「何食べたい？」


「え、、んー。。あ！ハンバーガー食べてみたいです」

「そんなんでいいの？」

「私食べたことなくて」

「えっ、、ふーん。。
じゃあハンバーガーね」

「はい！」


起きてからまたスマホに釘付け


「お昼休みに連絡くれたお客さんに返信してるから
準備して待ってて」


「はい」


お仕事中でもないのにお客さんの相手しなきゃ
いけないなんて大変だ


15分以上スマホをいじって

待たせてごめんと私に謝ってから
仕事とお出かけの支度を始める


「お仕事前に私とデートするの疲れませんか？」


「いつも夕食は外だから
それに恋人ごっこの役割もしてあげたいし」

そんなふうに思ってくれるなんて
優しいな


「ありがとうございます」


「まぁホスト始めた頃は同伴もしてたし」


「同伴？」


「仕事前にお客さんとご飯食べたり会って
そのまま仕事に行くこと」

お客さんと同じか、、いや、わざわざ
私の為にお食事に誘ってくれたんだから
楽しまなきゃ損だよね



「もうその同伴はしてないんですか？」

「うん。めんどくさいから
仕事前くらいゆっくりしたいじゃん？」


大変だ

「よしじゃあハンバーガー食べに行こう」


靴を履いて鍵を閉めて
ん、って手を出される



この手は何？


はてなを浮かべてたら


「恋人なら手、繋がないとね」


可愛い笑顔で私の右手を握る



「ありがとうございます」

「いーえ」


男の人と手を繋ぐなんて初めて


手に触れてるだけでドキドキする

ヒロインが顔を赤くする気持ちがわかった



「真っ赤、可愛いね」


恋人を演じてくれてるだけなのに
私の胸はときめく


可愛らしい顔に似合わず
大きくて男性らしい手


またときめく



心臓何個あっても足りないよ……

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