はじめて。*Takanori.I*

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家に帰ってきて
タオルで髪の毛や体を拭く



お風呂の準備に行った剛典くん


浴槽にお湯をためてる音がする




窓の外は強く降り続けてる雨


天気は残念なことになってしまったけど
そのおかげで剛典くんのこと少し知れた



雨が降ってしまったけど
死んでもいいくらい幸せなデートだった



お弁当をシンクに出したり
空のシャボン玉の容器を捨てたり
片付けをしてると今日の思い出が
溢れ出てきてニヤニヤしちゃう



「A、先お風呂入って」

「ううん。剛典くんが先に入って
明日もお仕事なのに風邪引いたら大変だもん」


「俺はAに風邪引いて欲しくない」

「ダメです。剛典くんが先」


「Aが先、言うこと聞かないなら
2人で入ろうとか言い出すよ、俺」



ふ、ふ、ふたり！？



「先に入ります……」

「いい子」


また子ども扱い

でも、優しく垂れた目に
胸が締め付けられる



こんな気持ち初めてだけど
ハッキリ迷いなく分かる

これが


"恋"って……




憧れと恋の違いがよく
恋愛もののネタになるけど



私のこの気持ち


憧れなんかじゃない


だって、すっごくすっっっごく……

ああ、限定付きなのに


頭じゃ分かってるのに




ムダだって



剛典くんも入るから
早く上がろうとスピードアップで
お風呂を済ませて
リビングに行くとお弁当箱を
洗って片付けてる剛典くん



「作ってもらったから
片付けくらいはしないとね？」


「ありがとうございます」


「いーえ。
それよりちゃんと温まった？」


「ホカホカです」


私のほっぺを両手で包んで
ホントだって笑ってる



笑顔、見たいけど恥ずかしい



「俺も入ってこよー
A疲れてない？」



「疲れてないです！」


「そっか。あのさ、今日は一緒に寝てみない？」


私がベットで寝るときは
剛典くんはソファをベット代わりにして寝ている


ソファベッドだから全然快適と言ったけど
正直ちゃんとベットで寝て欲しい


でも、私が剛典くんと同じベットで
寝ていいのだろうか



「まだ勇気出ない？」

「勇気というか……」

「本音言っていい？」


「ん？」

「寝てるときに雷鳴ったら嫌なんだもん
一緒に寝てよ」


いじけて？んー、恥ずかしがって？

なんか甘えた声で言うから
うっかり、私でよければなんて答えてた

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