はじめて。*Takanori.I*

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剛典くんがいないと私の期限付きの恋愛は
成り立たない

お金なんてこの際どうでもいい


本当は1週間もすれば
剛典くんは私に飽きるとかそんなの分かってる



縋ってでも、泣いてでも、
追加でお金がかかってもいい



私から遠ざかっていかないで


もう少しでいいから
恋愛"ごっこ"をさせて、、、


剛典くんが私を負担に感じてることも
分かってる


自分勝手なのも



でも……でも……





「してないよ、そういう気持ちじゃないから
心配しないで？ただ俺上手く恋人できてなかったんだなとか考えてただけだから
安心して？」


ちゃんと目を見て言ってくれた


「思ってること言ってくれて良かったよ」



お金を払ったとはいえ
迷惑かけてるのは私だ

彼の人生の1ヶ月を貰ってしまってる

「剛典くん……」


優しく髪を撫でてくれる


「伝えてくれてありがとう」

「え？」

ありがとうなんて
どうして？


「心で思ってること
きちんと言葉にしてくれて
嬉しいよ？子ども扱いのつもりはなかったけど
俺も気をつけるね？
せっかくのピクニックデートにそんな顔しないでよ、」



プロだと思った

私みたいな女の子を扱うなんて
剛典くんからすれば簡単なこと

それがお仕事なんだもん


剛典くんが私を好きになって
心が通った恋愛がしたい



最悪……。。



私、好きになっても叶わない人を……


ううん。違う
ちょっと優しくされたからって
心と頭が勝手に勘違いしてるだけよ



ほっぺをつまんできて
笑って？と微笑む


ああ、また胸がドキッと動いた


「おいで？」

腕を広げて
優しい笑みで私を受け入れてくれた


香水の香りがしない

アルコールの匂いもしない

柔らかい柔軟剤の香り



剛典くんにはこっちの方が合ってる



「俺の可愛い彼女さん
ピクニックデート始めましょうか」


「可愛いなんて……」



「Aは可愛いよ」


またお世辞


優しさか職業病か


まぁ貶されてるわけじゃないし
いいか

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