18話。 ページ18
Aside
2人乗りのバイクに跨って、落ちないようメローネのお腹に手を回す。そんな服着て風が寒くないのかと思ったけど、意外と彼は平気そうだった。
「今まで、仕事終わったあとは何してた?」
『ボスの直属の部下に報告して、家に帰ってシャワー浴びて、テレビ見たりとかですかね』
「そりゃ随分つまらないね。君、俺たちのチーム来て正解だよ。そのままだったら廃人になってる」
メローネは笑って言ったけど、案外冗談抜きにそうだったかも、と思うとちょっと焦った。
しばらくして走らせていたバイクを停め、裏路地に入る。いつもの場所って言えばそうだけど、だからと言って毎回ここなわけじゃあない。そんな印象の薄い場所だ。
扉の横にあるインターホンを押すと、引渡し人の声。軽く挨拶と言葉を交わすと、扉が開いた。
「へえ、厳重なんだな。」
『中にいる人物は、組織にとって大きな利益となる情報を持ってる人ですから。』
長い廊下を歩き、また扉の前でインターホンを押し多少やりとりすると、ようやく目当ての部屋が開いた。
「おう、来たか。」
『はい。今日もよろしくお願いします』
「ああ、こっちこそ頼む。いつも通り、ギリギリのラインを狙ってくれよ。殺しちゃだめだぞ…ん?そっちのにーちゃんは?彼氏?」
『こ……こんなとこに彼氏なんか連れてきませんよ…!…彼は私の先輩です』
「別に彼氏でもいいけどな。どうも」
「ああ、よろしく。にーちゃん、この子のこと甘く見ちゃいけねぇよ。なかなかなやり手だからな。…んじゃ、口割るって言ったら呼んでくれ。頼んだぞ」
そう言って帽子の男は部屋から出ていった。彼の素性も本当の名前も一切知らないのに、仕事は成り立っているから不思議だ。
『…メローネ、あなたのことを軽んじているわけじゃあないんです。ただその……もしも具合が悪くなったら部屋から出てくださいね。』
「心配してくれてるのか?人に心配されることなんかないから嬉しいな…分かったよ。気分が悪くなったら先に出ていく」
メローネはそう言って、私の仕事を見るために部屋の隅にあったソファに座った。
70人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
梅花 - こんにちは12話も最高です くるちゃんさんもこれから仲良くできたら嬉しいですお二人共これからもよろしくおねがいします (2021年9月21日 10時) (レス) id: 7df7a78d6a (このIDを非表示/違反報告)
4番くん(プロフ) - くるちゃん。さん» ありがとうございます!これからも見てくれると幸いです。 (2021年9月19日 17時) (レス) id: 2a341e36a7 (このIDを非表示/違反報告)
くるちゃん。 - とっても面白かったです! 読みやすいし 内容がしっかりしてるし、最高です! 続き楽しみにしてます! (2021年9月19日 14時) (レス) id: 653f3c1549 (このIDを非表示/違反報告)
梅花 - あひゃーペッシィィ可愛いなぁーおい 次回も楽しみにしてますね (2021年9月19日 10時) (レス) id: 7df7a78d6a (このIDを非表示/違反報告)
梅花 - あっーー10話でしたぁ 失礼いたしました (2021年9月17日 23時) (レス) id: 3d213de61e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:4番くん | 作成日時:2021年9月5日 8時