12話。 ページ12
Aside
彼の部屋に入って、彼をベッドに座らせる。頬が少し腫れていたので消毒液を当てると、ぴく、と小さく動いた。
『痛いですか?』
「ああ…でも少しだ。大丈夫」
『なら良かった。マスク取ってもらっていいですか?汚れてしまったらいけない』
「ああ」
紫色のマスクを取ると、目の前にはもうそれはすごく綺麗な顔。モデルみたい。女の人みたい。
『………』
髪の毛を耳に掛けてやる。片方の目も、緑色でとても美しい色をしていた。
「どうした?」
『し、喋らないで…』
声が男の人だと萎えちゃうから…
彼の頬を手で抑える。もう自分で自分を制御できなくなっていた。
そのまま倒れ込むように彼に馬乗りになり、ゆっくりとその美しい顔に口付けた。
『ん、ん………』
もう本当に、彼は女神のような見た目だった。マスクを取った彼は、かの有名なフランソワ・ブーシェの描いた女神のように美しかった。
『、あ………ご、ごめんなさい、私、…』
気づいた時にはやりすぎてしまっていた。もうどうしよう。やっぱり私おかしいのかしら…嫌われたかも
「はは、可愛いな。そんなに俺の顔が、キミが求める女神のようだった?」
首を引き寄せられてじっと目を見られる。
だめ、そんなに見ないで、おかしくなる。
『あ、あ、…や、…見ないでっ……』
「ダメ。目逸らさないで」
『もう、許して…っ、』
そう言った瞬間、思い切り彼に抱きしめられる。
彼からは、甘い匂いと血の匂いが混ざった、不思議な香りがした。
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梅花 - こんにちは12話も最高です くるちゃんさんもこれから仲良くできたら嬉しいですお二人共これからもよろしくおねがいします (2021年9月21日 10時) (レス) id: 7df7a78d6a (このIDを非表示/違反報告)
4番くん(プロフ) - くるちゃん。さん» ありがとうございます!これからも見てくれると幸いです。 (2021年9月19日 17時) (レス) id: 2a341e36a7 (このIDを非表示/違反報告)
くるちゃん。 - とっても面白かったです! 読みやすいし 内容がしっかりしてるし、最高です! 続き楽しみにしてます! (2021年9月19日 14時) (レス) id: 653f3c1549 (このIDを非表示/違反報告)
梅花 - あひゃーペッシィィ可愛いなぁーおい 次回も楽しみにしてますね (2021年9月19日 10時) (レス) id: 7df7a78d6a (このIDを非表示/違反報告)
梅花 - あっーー10話でしたぁ 失礼いたしました (2021年9月17日 23時) (レス) id: 3d213de61e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:4番くん | 作成日時:2021年9月5日 8時