16話。 ページ16
Aside
「…そうか。」
『私たちに対して、です。2人ともあなたのことをとても尊敬していました。俺たちのリーダーは強い、だから俺たちがやられたところで、あのチームは変わらない。そう言っていました。』
「A……」
震えてるぞ。リーダーはそう言って私の背中をさすった。
震えてるわけない。私はこれが仕事。これをして食べていくのだ。そう思ってたけど、でも実際、奥歯がカタカタ言ってたし、2人の顔を思い浮かべるだけで脂汗がでてくる。
私、本当はこの仕事向いてない。
才能とやりたいことは違う。才能=得意ではない。才能がある上で、でも苦痛を感じてしまう。
『…ごめんなさ、ごめんなさい……私があの二人を殺したも同然………私がそうやって殺せって言った……酷い殺し方をさせた……』
リーダーは私を抱きしめてくれた。けど伝わる。奥底のやるせなさを。私に対する怒りじゃない。組織に対する怒り。
「…君は悪くない。君みたいなまだ若い人間にむごい方法で殺しをさせる組織が悪いんだ。」
「だから落ち着いてくれ。ゆっくり息を吸って、そして吐くんだ。…大丈夫、俺たちは君を歓迎している。2人のことは忘れろと言った。同じことを君にも言うよ。」
ようやく落ち着いた頃には、もう汗がダラダラで、瞳孔もかっぴらいていてなんだか眩しかった。
顎に伝った汗がぽたぽたと地面に垂れていく。また落ちそうになったそれを、リーダーは指でぬぐってくれた。
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梅花 - こんにちは12話も最高です くるちゃんさんもこれから仲良くできたら嬉しいですお二人共これからもよろしくおねがいします (2021年9月21日 10時) (レス) id: 7df7a78d6a (このIDを非表示/違反報告)
4番くん(プロフ) - くるちゃん。さん» ありがとうございます!これからも見てくれると幸いです。 (2021年9月19日 17時) (レス) id: 2a341e36a7 (このIDを非表示/違反報告)
くるちゃん。 - とっても面白かったです! 読みやすいし 内容がしっかりしてるし、最高です! 続き楽しみにしてます! (2021年9月19日 14時) (レス) id: 653f3c1549 (このIDを非表示/違反報告)
梅花 - あひゃーペッシィィ可愛いなぁーおい 次回も楽しみにしてますね (2021年9月19日 10時) (レス) id: 7df7a78d6a (このIDを非表示/違反報告)
梅花 - あっーー10話でしたぁ 失礼いたしました (2021年9月17日 23時) (レス) id: 3d213de61e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:4番くん | 作成日時:2021年9月5日 8時