姐さんってやばいな ページ43
白布賢二郎side
『──────で、ここが広いって意味だから……』
「ああ!そゆことー」
やっぱり姐さんは凄い。初っ端から諦めてた天童さんにも根気強く教え続けている。あの2人は同じクラスだからこれが日常なんだろうか。それにしても姐さんの教え方は誰が聞いても分かりやすい
『工は分かった?』
「あ、はい。さっき教えてもらったとこは……ただ、まだ覚えられてるか」
『そっか。うーん……暗記系なら獅音に聞いた方がいいかも。獅音、いい?』
「もちろん」
流石白鳥沢とでもいうか。県内の難関なだけあってテストもそれなりに難しい。ここにいる部員の中で一般入試を受けたのは俺と姐さんだけだ。
姐さんは東京から来たって言ってたから、あっちでも高いレベルの勉強をしてきたんだろう。何より地頭がいい。
『さて、太一は進んだ?』
「えぇ……いやー……」
教えてもらった所は出来てる。問題は応用だったり長文読解。
『単語の意味は分かるんだよな?』
「はい、まぁ」
『応用は後でやるとして、長文読解だ。途中で読むの諦めてるだろ』
「なんか途中で暗号みたいに見えてくるンスよ……」
『まず文の頭から単語を簡単に訳していく。これは出来るな?あと、段落が何個あるか。これは並べ替えのときに役立つ。いい?』
「……やってみます」
俺もやってみるか。
「姐さん、ここの資料の読み取りが難しいんですけど」
『OK。若利も来て。やり方一緒だから』
俺の隣に牛島さんが座る。正直めっちゃ嬉しい←
『この変革でどれだけの人の職に変化があったか。へぇ、2年の先生も面白い問題作るね。』
2年の社会科担当の先生は、優しいが、その笑顔の裏でえげつない問題を作る。
『この折れ線グラフと帯グラフを同時に見て思うことは?はい若利』
「……ここの変化が一番大きい」
牛島さんと姐さんと一緒に勉強が出来るなんて……
我が人生に一片の悔いなし←
『賢二郎は?』
「この年とこの年の間で、収入が激変してる地域がありますね。そこに変革があったので、その地域で盛んだった職業が分かれば……」
その職業だったら分かる。暗記は得意だ
顔を上げると、満足気な姐さんが微笑んでいた
『2人とも大正解!』
「2人とも?」
『そ!多分この問題には解が2つあるんじゃないかな。正答例に別解がなかった?』
見ると、確かにあった。凄い……ただただ凄いとしか言えない
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2020年8月14日 15時