命令6 ページ40
宮侑「飛雄くん」
影山「！……宮さん」
理科室の前に立つ影山に声をかけたのは侑だった。夜も耽け、1階には理科室前の蛍光灯しかついていない。古いものなのか時折消えたりして2人の不安を煽る。
影山「こんな所で何してるんですか」
宮侑「それはこっちのセリフでもあるなぁ」
合宿初日から変わらない飄々とした態度に、影山は怪訝の目を向けた。
宮侑「そんな怖い顔せんといてや。俺何もしてへんやろ」
影山「……本当に何もしてないんですか」
それは命令の意味も含まれていた。ここまで届いた確認メールは4件。半分以上の確率で侑も実行していることは、勉強に弱い影山でも分かった。
宮侑「……何もしてへんよ」
両手を挙げて言った。
宮侑「俺らは手を組んだやんか。信用してへんの？」
影山「っ……こんな状況で誰を…信じろってんですか」
宮侑「真面目やな〜ま、俺もやけど」
相も変わらず読めない男に若干怯む。
宮侑「それにしても……ホンマ臭うなぁここ」
影山「……はい 」
宮侑「何体あるんやっけ？」
影山「……数えたくもないです」
宮侑「24や」
酷く冷酷な言の刃が影山を貫く。無意識に服の胸部を掴んでいた。
肉の腐った臭い、血の臭い。新しいものから1週間前のものまで。生理的に受け付けないそれに、2人は胃からせり上がってくる何かを必死で堪えた。
宮侑「……飛雄くんはなんでここに？」
影山「……考えてました。俺に人が殺せるのか。死んだ人が集まってるここに来れば、何か分かるかと思いました」
手を握って、開いて。自分に問いかけるように。
宮侑「俺はな、さっきあそこで北さん殺しかけたで」
何の躊躇いもなく、指を差して口に出した。
影山「っ！……かけたってことは、殺さなかったんですね」
宮侑「まぁ……せやな。話せば長くなるから言わんけど」
あの時の感触、感情。自分が自分でなくなる感覚。
宮侑「せやからな、1つ分かったことがあんねん」
影山「……」
宮侑「人は、自分ん中で道理さえあればリミッターなんか一瞬で壊せるんや」
影山「……分かんないっす」
宮侑「飛雄くんは、自分がバケモンやと思ったことはないか？」
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すみた先生(プロフ) - 玲央さん» 是非最終章の最後ら辺を読んで頂きたい……！！勝手にエモさ感じてる奴がここに居ます……！ (2022年9月24日 15時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
玲央 - 今小説読んでいるんですけど、急に烏がでかい声で鳴き始めて鳥肌たった (2022年9月24日 14時) (レス) @page26 id: 6bc17f8fd6 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 葵紫さん» コメントありがとうございます！私もホラーが好きで書き始めたのですが、楽しんで下さる方がいて本当に嬉しいです！応援の言葉、大変励みになります！ありがとうございます！ (2021年1月1日 16時) (レス) id: 16cbe631bd (このIDを非表示/違反報告)
葵紫 - ホラーが好きなので楽しみにしています。更新、頑張ってください (2021年1月1日 14時) (レス) id: a274d33eb0 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - むいみおさん» コメントありがとうございます！好んでいただける方がいて喜ばしい限りです。私も死ネタはとても書いてて心苦しいですが、最後まで書ききりたいと思います！応援ありがとうございます！ (2020年11月2日 7時) (レス) id: 16cbe631bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2020年7月25日 11時
