命令6 ページ35
東峰「……大地」
澤村「何だよ」
東峰「俺さ……思ってたんだけど、」
東峰は口を開いたところで何か思いとどまり、閉ざした。それを何回か繰り返すうちに、聞く気になっていた澤村も痺れを切らして急かした。
澤村「早く言えよ」
東峰「……
──────前の命令と今の命令、、繋がってんじゃないかな……」
澤村「繋がってる……？」
西谷「どうかしたんすか旭さん」
田中「何か気づいたんすか？」
西谷、田中が歩み寄る。東峰は注目を集めたせいか少し縮こまりながら説明を始めた。
東峰「その……王様がこのゲームを始めたのは単なる娯楽か、何かの復讐、どっちかじゃないかと思うんだ。ほら、昔の王様ゲームもそうだったし……」
澤村「……確かにな。でもそれが"繋がってる"となんの関係があるんだ？」
東峰「王様は一度に全員が死ぬような命令は出さないだろ？俺達を苦しませたいのか、自分が楽しみたいのかは知らないけど……
前回までの命令で意図的にセッターを減らそうとしたんじゃないか……って思ってさ」
田中「？……す、すんません旭さん、俺ちょっとよく分かんないっす……」
西谷「俺もです」
澤村「お前たまに突拍子も無いこと言うけど……今回ばっかりは俺にも分からん。どういう事だ？」
東峰は困惑気味に視線を泳がせ、言葉を探した。
すると、東峰の背後から落ち着いた声が聞こえた。
月島「菅原さんが死んだのは偶然じゃなかったってことですよ」
月島は東峰に確認を促す。
東峰「あ、あぁ……そうだよ」
月島「正確には青城の2年セッターもですけど。
狙いは一校にセッター1人の状況を作ること。まぁ、白鳥沢に青城の人が行かなきゃその狙いも達成出来てたんでしょうね」
それだけ言って、御役御免だというようにその場を離れようとした。しかしそれを阻んだのは田中だった。
田中「有り得ねぇ……だってスガさんは自分からっ」
月島「……そうやって動くように仕向けられてたんですよ僕達は」
田中「はぁ……？」
月島「どういう命令を出せば誰がどういう風に動くのか、王様はそういった人間の行動について詳しいんだと思います」
こんな状況下でも他者を想って涙を流せる菅原。正義感が強く仲間思いな菅原。
王様の読み通り、犠牲役を買って出たのは菅原だったのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 117人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみた先生(プロフ) - 玲央さん» 是非最終章の最後ら辺を読んで頂きたい……！！勝手にエモさ感じてる奴がここに居ます……！ (2022年9月24日 15時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
玲央 - 今小説読んでいるんですけど、急に烏がでかい声で鳴き始めて鳥肌たった (2022年9月24日 14時) (レス) @page26 id: 6bc17f8fd6 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 葵紫さん» コメントありがとうございます！私もホラーが好きで書き始めたのですが、楽しんで下さる方がいて本当に嬉しいです！応援の言葉、大変励みになります！ありがとうございます！ (2021年1月1日 16時) (レス) id: 16cbe631bd (このIDを非表示/違反報告)
葵紫 - ホラーが好きなので楽しみにしています。更新、頑張ってください (2021年1月1日 14時) (レス) id: a274d33eb0 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - むいみおさん» コメントありがとうございます！好んでいただける方がいて喜ばしい限りです。私も死ネタはとても書いてて心苦しいですが、最後まで書ききりたいと思います！応援ありがとうございます！ (2020年11月2日 7時) (レス) id: 16cbe631bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すみた先生 | 作成日時：2020年7月25日 11時
