命令6 ページ34
18:00
赤葦「……いませんね」
木兎「じゃあ小見やんは……！」
木葉「っ……クッソ……！」
木葉と木兎は崩れ落ちて頭を抱えた。そんな2人の様子を赤葦は冷たい目で一瞥し、ある人物の元へ歩いた。
赤葦「まさかそっちがやるとは思いませんでしたよ。
黒尾さん」
黒尾「……怒るか」
赤葦「いいえ怒りません」
孤爪「赤葦……やったのは俺。クロじゃない」
赤葦「嗾けたのは黒尾さんでしょ？」
孤爪は黙った。勝ち誇ったように赤葦は2人を見て、そして己の口を開いた。
赤葦「俺には2人を責める気も無いし、そもそもそんな権利俺には無い」
孤爪「……てことは」
黒尾「っ……はぁ」
赤葦「そういうこと」
お互いにお互いの仲間を殺した。
黒尾「……なんでお前はそんな顔してられんだよ」
赤葦「そんな顔？」
この手で人を殺したのに、仲間を殺されたのに。赤葦は晴れやかな表情だった。
赤葦「俺はただ、人の命に責任持ちたくないだけですよ。自分の命は自分で守る、それができないなら死ぬ。簡単な事です」
黒尾「理由になってねぇぞ」
赤葦「分かりませんか？確かに小見さんが死んだのは同じチームメイトとして悲しいことは悲しいですが、俺としては小見さんが死んだのは自己責任だと思いますね。
黒尾さんと孤爪が強く、小見さんが弱かった。たったそれだけです」
誰かが邪魔だったから殺したのでは無く、自分が生きるための条件を満たしたまでの事。赤葦にとってこれは作業。生きるための作業に過ぎなかった。
赤葦「このゲームで生き残るに必要な条件はただ1つ。強さです。力でも知恵でも、強ければ強いほどここでは有利になる。
俺はどんな事をしてでも生き残るって木兎さんと約束しました。俺は約束は守る主義なので、最後まで生きてやりますよ」
黒尾「そんなの俺達だって同じだ」
赤葦「じゃあお互い頑張りましょう。せいぜい死なないように。
あぁ孤爪、言い忘れてた」
赤葦は孤爪の肩に手を置き、耳元で誰にも聞こえないように囁いた。
赤葦「────────。じゃあ」
黒尾「研磨……赤葦はなんて言ってた？」
孤爪「さぁ……小さすぎてはっきり聞こえなかったし」
───俺、王様分かったかも。
孤爪は小さく息を吐き、口角を上げた。
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すみた先生(プロフ) - 玲央さん» 是非最終章の最後ら辺を読んで頂きたい……！！勝手にエモさ感じてる奴がここに居ます……！ (2022年9月24日 15時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
玲央 - 今小説読んでいるんですけど、急に烏がでかい声で鳴き始めて鳥肌たった (2022年9月24日 14時) (レス) @page26 id: 6bc17f8fd6 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 葵紫さん» コメントありがとうございます！私もホラーが好きで書き始めたのですが、楽しんで下さる方がいて本当に嬉しいです！応援の言葉、大変励みになります！ありがとうございます！ (2021年1月1日 16時) (レス) id: 16cbe631bd (このIDを非表示/違反報告)
葵紫 - ホラーが好きなので楽しみにしています。更新、頑張ってください (2021年1月1日 14時) (レス) id: a274d33eb0 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - むいみおさん» コメントありがとうございます！好んでいただける方がいて喜ばしい限りです。私も死ネタはとても書いてて心苦しいですが、最後まで書ききりたいと思います！応援ありがとうございます！ (2020年11月2日 7時) (レス) id: 16cbe631bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2020年7月25日 11時
