王様ゲーム、継続。

命令6 ページ33

岩泉「……だったらもう答えは出てんじゃねえか？」





及川「ところがどっこい。どうやら及川さんは人並みの良心を持ち合わせていたみたいなんだよね〜」


それは遠回しに、"人は殺せない"と伝えていた。


岩泉「はぁ……結局どっちなんだ。死にたくないけど人も殺せない。どっちかに決めないといけねえ」

及川「岩ちゃんは俺にどうして欲しい？」

岩泉「あ？」



及川は上半身を起こして仰向けの岩泉を覗き込んだ。




及川「岩ちゃんは、俺に人を殺してでも生きて欲しい？」



岩泉「っ！……」



相変わらず変なところで読めない奴だと思った。何と答えるのが正解なんだろうか、どんな答えを望んでいるのか。




及川「……」

岩泉「……、」




否。そんな事を考える必要は無い。岩泉は及川の瞳に微かに揺れるものを見た。









岩泉「俺は、死ぬよりだったら生きていたい」








こいつが望んでいるのは自分の答え。何の忖度も計らいもない岩泉自身の答え。





あくまで自分はの話。及川に望んでいるののでは無く、自分だったらこうするという。





及川「……そっか。俺も生きたいよ」

岩泉「俺とお前が一緒じゃなきゃいけねぇ理由はない。てめぇの事はてめぇで決めろ」

及川「やっぱ岩ちゃん優しいわ」

岩泉「……お前ドMだったのか」

及川「違いますけど！？」

岩泉「これを優しさと思えるお前がキモイ」

及川「理不尽！！」



あぁ、久しぶりだ。1週間ぶりのこの楽しさ。仲間を失ったのに、悲しくないはずがないのに、今だけは、束の間の安らぎを









及川「まぁ俺は死ぬつもりなんて最初っから無いけどね……」

岩泉「なんか言ったか」

及川「何でよないよーだ！幻聴とかおじいさんじゃな〜い？」

岩泉「何だとクソ川っ！！」





及川の笑みは本心からなのか、はたまた何重にも重ねられた幾多もの仮面のひとつか。知るのは及川ただ1人。



とは限らないのかもしれない。

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