命令6 ページ29
北side
治は突発的に洞察力が鋭くなる。だから嫌やったんや。絶対止めに来るから。
北「お前が俺を恨めばいいと思った。そうすれば後腐れなく進めるやろ」
俺が、大事なチームメイトを、友達を、殺すわけない。死んで欲しいと思ったことも無い。
けど、練も銀島も路成もアランも、死なずに済んだんちゃうかって思う。俺がもっと気を配っとれば、4人は生きてたんやないかって。
俺1人の責任やとは思わんし、タラレバ言って何か変わる訳でもないことも知っとる。
それでも、生きていて欲しかった。
北「お前らは死んだらあかん」
宮侑「!……そんなん、そんなん北さんやって同じや!」
北「!」
死にそうやったのは俺なのに、何故か侑の方が苦しそうに見えた。
宮侑「アランくん殺されて……それがあんたやって知ったらもう訳分からんようになって……
ほんとは、北さんを殺したないのに……!」
だいぶ整った呼吸が、少し詰まった。
宮治「北さん。もうええ。嘘なんかつかんといて下さい。それが俺らを守るもんでも」
守りたかった。せめてこいつらだけでも。
俺はスーパースターやない。取り柄といえば、決めたことは毎日欠かさないということくらい。こいつらみたいに輝ける何かを持っとる訳やない。
だから、俺がすべきなのは……こいつらの未来を守ること。
北「でももう無理やな……」
笑うもんも笑えんわ。気付いたらきっと俺を殺せん。
宮侑「……ありがとうございました。そんで、すみませんでした。北さんに嘘つかせてもうた」
北「ええねん。俺がしたくてした事やねんから」
宮侑「……」
俺はしくじった。やっぱり、試合のように上手くはいかんな……こんなゲームやと
北「戻ろか。これからどないするか話し合わんと。特に侑はな」
宮侑「……はい」
宮治「……」
頼もしく優しい後輩、何も出来んかった俺。
どっちを選ぶべきか……そんなん決まっとるやろ。
117人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみた先生(プロフ) - 玲央さん» 是非最終章の最後ら辺を読んで頂きたい……!!勝手にエモさ感じてる奴がここに居ます……! (2022年9月24日 15時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
玲央 - 今小説読んでいるんですけど、急に烏がでかい声で鳴き始めて鳥肌たった (2022年9月24日 14時) (レス) @page26 id: 6bc17f8fd6 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 葵紫さん» コメントありがとうございます!私もホラーが好きで書き始めたのですが、楽しんで下さる方がいて本当に嬉しいです!応援の言葉、大変励みになります!ありがとうございます! (2021年1月1日 16時) (レス) id: 16cbe631bd (このIDを非表示/違反報告)
葵紫 - ホラーが好きなので楽しみにしています。更新、頑張ってください (2021年1月1日 14時) (レス) id: a274d33eb0 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - むいみおさん» コメントありがとうございます!好んでいただける方がいて喜ばしい限りです。私も死ネタはとても書いてて心苦しいですが、最後まで書ききりたいと思います!応援ありがとうございます! (2020年11月2日 7時) (レス) id: 16cbe631bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すみた先生 | 作成日時:2020年7月25日 11時