命令5 ページ18
川西「俺がやる」
白布「だから俺がやるって言ってんだろ!」
白鳥沢が集まる部屋では、川西と白布が掴み合いをしながら言い争っていた。どちらがボールを持たないかで決めかねていた。
3年生は困惑の表情で止め、五色は泣きながら耳を塞いでいた。
白布「俺は天童さんに言ってないことがいっぱいあんだよ…!!俺が残ったって何も出来ないから!」
川西「だったら尚更お前は残んなきゃだめじゃねえか!」
鬼気迫る表情で胸ぐらを掴み上げた川西。今まで見せたことがない顔と感情に、一同は戸惑う。川西はそのまま続けた
川西「天童さんの思いを踏み躙ってんじゃねえよ!お前が死んだら……!天童さんが報われねえだろ!いいか、お前の命はお前だけのもんじゃねえんだぞ。天童さんが命張って遺したもんだ。それを分かってんのかよっ」
白布「でも……!俺は、もう……っ無理だ」
心身共に疲れきった白布はもう限界だった。箍を切ったように流れる涙を見て、流石にまずいと思った瀬見は川西の腕を掴む。
瀬見「もういいだろ川西。やめてやれ。白布もお前も間違ってねえよ」
川西「……じゃあどうすんですか。いつまでもこのままじゃ何も進みませんよ。誰かが死なないと……!」
五色「もういいです……俺が死にますから」
山形「何言ってんだ工!そんなこと言うなって」
明るく肩を叩く山形だったが、その顔は引き攣っている。大平と牛島は腕を組んでその様子を見守っている。
白布「もう嫌だ……!」
隙を見て走り出した白布。扉の近くにいた大平は一瞬出遅れ、白布は扉に手をかけた。
ガラッ
白布「ぁ……?」
大平「おま、え……」
.
.
「──────────お前らの誰もやらなくていい」
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すみた先生(プロフ) - 玲央さん» 是非最終章の最後ら辺を読んで頂きたい……!!勝手にエモさ感じてる奴がここに居ます……! (2022年9月24日 15時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
玲央 - 今小説読んでいるんですけど、急に烏がでかい声で鳴き始めて鳥肌たった (2022年9月24日 14時) (レス) @page26 id: 6bc17f8fd6 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 葵紫さん» コメントありがとうございます!私もホラーが好きで書き始めたのですが、楽しんで下さる方がいて本当に嬉しいです!応援の言葉、大変励みになります!ありがとうございます! (2021年1月1日 16時) (レス) id: 16cbe631bd (このIDを非表示/違反報告)
葵紫 - ホラーが好きなので楽しみにしています。更新、頑張ってください (2021年1月1日 14時) (レス) id: a274d33eb0 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - むいみおさん» コメントありがとうございます!好んでいただける方がいて喜ばしい限りです。私も死ネタはとても書いてて心苦しいですが、最後まで書ききりたいと思います!応援ありがとうございます! (2020年11月2日 7時) (レス) id: 16cbe631bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2020年7月25日 11時