やんちゃだがバレーは上手い奴が帰ってきた【ハイキュー!!】【男主】⑤ (ページ4)

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よく分かんねぇ犬のキャラクターのぬいぐるみを取るクレーンゲームをやらされた訳だが、知らねぇものをやれと言われてもやれるはずがねぇ。

とりあえずスガがやってるのを見る事に。

「ここで……っと」

「手馴れてんなぁ」

スガは台を正面だけではなく横からも見たりして、ターゲットの真上にクレーンを持ってくるようにしている。旭の言う通り、手馴れている。これが経験値の差か……。

「どーよ」

「初心者相手にドヤ顔するなよ」

奇しくもぬいぐるみと同じような舐めた顔をするスガに、俺の頭の血管が1本、ぷっつり。

『どけ。次は取る』

財布から百円玉を取り出して台に入れる。しかしクレーンは微妙にズレるし、掴んだかと思えばするりと抜けるしで、アクリル板を叩き割ってやりたい気持ちを抑えながらまた百円玉を入れた。

「お前もうそれ2000円も使ってるだろ」

『るせぇ！』

「こうやって課金に躊躇を失ってくんだよな」

ボタンを押すタイミングに全神経を集中させる。それは多分、マッチポイントの時に回ってきたサーブの時のような集中だったと思う。

穴が空くほど見つめていると、ついに舐め腐った顔をした犬が、取り出し口へ落ちた。

『お！おい見ろよ！取れた！！』

首根っこを掴んで見せると3人は呆れたような顔をしたが、そんなの気にならないくらい俺は嬉しかった。サーブが決まって勝利が決まった瞬間のようだ。

「次あれやろうぜ」

大地が示したのはレースゲーム。運転か……ハンドル回すくらいなら大丈夫だろ。

───とか思ってたが、結果は最下位。スガに散々笑われ煽られブチ切れそうなのを大地と旭に止められる。

次は旭が駄菓子の取れる台を提案した。さっきのクレーンゲームと同じ要領でやったらうまい棒10本は取れた。

そろそろ財布も冷たくなってきた頃には、外も陽の光がオレンジ色に変わっていて、帰るかと俺が言おうとすると同時に、スガが指を伸ばした。

「最後アレ！アレ撮ろう！」

「おいおいマジかよ……」

「男4人だぞ？」

「絶対面白ぇって！」

4人で金を出し合って入れられたのは、狭い箱の中。若干仁花の声に似てる音声案内を聞き流していると、急にシャッター音が鳴った。

「おい叶多ポーズ取れよ〜大地と旭も！」

「そういうのはスガだけで良いだろ」

『んだよポーズって』

「最後こう！」

スガにならって言われたポーズを全員で取った。