やんちゃだがバレーは上手い奴が帰ってきた【ハイキュー!!】【男主】⑤ (ページ14)

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男４兄弟ページ14

叶多は最後の一口を放り込みながら言った。

『確かに体力つけるには体動かさなきゃだし、そのためにはエネルギー必要だよな』

「は、はい……」

「お前！俺らが言っても聞かねぇくせに！」

『あ？だって潔子にも言われたし、マネージャー2人に言われたらバレーに支障が出るって考えるのが妥当だろ』

呆気からんと言い放った叶多に、澤村達は溜息を吐く。叶多は怪訝そうな顔をするが、これは仕方ないだろうと無視を決め込んだ。

「本当に、仲が良いんですね」

谷地は感心したように呟いた。日向・影山・月島・山口の間にある、ある種の信頼関係のようなものは近くで見ているからこそ羨ましいと思うが、3年生の仲の良さは見ていてとても安心するのだ。立花叶多という異分子に振り回される4人には頭が上がらないが、彼らにしか出せない雰囲気は、後輩にとっては無くてはならない存在だ。

『ま、俺の家族だからな』

「え……？」

『んな事より、ここは分かったんか？』

卵焼きを咀嚼しながら谷地は文字を追った。

昼休みの終わりを知らせるチャイムが鳴ると、叶多は椅子から立ち上がった。谷地もつられて荷物を纏め立ち上がる。そして深く頭を下げた。

「ありがとうございました！」

『いや……別に、俺にとっちゃ暇潰しだし』

「とても分かりやすくて、これなら次の期末テストも大丈夫そうです」

『ん。……あ、つかよ。これで俺のイメージ変わったよな？』

「へ……？」

『お前入部したばっかの時、潔子に要らん事吹き込まれてただろ。もう違うよな？』

ずい、と顔を近づけて圧をかける叶多の頭を澤村が叩く。小動物のように震える谷地に謝ると、叶多には眉を吊り上げて叱った。

『俺だってマネに変な印象持たれんのは嫌なんだよ』

「だからって怖がらせんな」

『で、どうなんだよ仁花』

「はいぃ……立花先輩はとても良い先輩だと思います……」

「あ〜か弱い1年生にそんな事言わせて恥ずかしくねぇのか叶多〜」

『それでいい』

満足そうに教室を出て行った叶多。澤村達は谷地のフォローをしつつも、自由奔放なその背中を追った。