やんちゃだがバレーは上手い奴が帰ってきた【ハイキュー!!】【男主】⑤ (ページ1)

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高校生ページ1

「男バレ全国ってマジかよ！すげーな東峰！」

「あぁ、うん。ありがとう」

「大会って東京か？」

「うん」

「予選観に行けなかったから全国大会は観に行くわ。応援してんぜ！」

予選が終わると、校舎に垂れ幕が掛けられたせいでよく声を掛けられるようになった。周りの友達に始まり、あまり話した事のないクラスメイトまで。

まぁこのクラスには大地もスガも居ないし、かと言って叶多には誰も話し掛けに行けないから俺に回ってくるんだろうけど。

案の定、色めき立つ教室の端で叶多は机に伏せている。先月の席替えで離れてしまい、叶多は余計に教室内では肩身が狭いだろう。

友達との会話も切り上げ、俺は席を立って叶多の席へ歩いた。

「叶多、飯」

『……ん』

ゆっくり顔を上げて叶多も立ち上がる。バッグからジャムパンを1つ取り出してついて来る様はいつも通りだ。大地とスガの所にも寄って、4人で空き教室に入る。

「流石に有名人だよな〜俺ら」

「応援はありがたいけどな」

「注目されんのちょっとしんどい……」

「お前はもっとシャキッとしろよ」

いつも通り駄弁りながら食べていると、スガがある事に気付く。

「なんか叶多機嫌悪い？」

おにぎりを頬張りながら叶多の顔を覗き込むスガ。確かに口数が少ないし、よく見れば眉間のシワも深く、不貞腐れているように見える。

「おいどうしたよ〜腹でも痛いのか？」

「ちゃんと寝てんのか？」

『うるせぇ』

スガと大地の言葉を一蹴してジャムパンの残りを口に放り込んだ叶多は、最早機嫌の悪さを隠そうともせずに頬杖をついて窓の外を睨む。2人は首を傾げるが、俺には何となく……理由が分かる気がした。いや、これ違ったら恥ずかしいんだけど。

「バレー部がチヤホヤされてるの、気に食わないとか……？」

呟くと、叶多の喉から変な音が聞こえた。……当たったっぽい。

「……へぇ〜？」

「ふ〜ん」

2人の顔が完全に揶揄いの色を浮かべる。同時に叶多は、ガタンっ、と音を立てて机に伏せた。