368 NOside ページ38
蛙吹「ケロ……そうね、放っておけないのよ。あなたも分からないかしら？
いつも独りで、悲しそうに、寂しそうに窓の外を眺めてたわ。Aちゃんはとても強くて、賢いわ。
でも……誰よりも不器用だと思ったの。独りになりたくないと思っているはずなのに、私達を遠ざけようとする。それは、Aちゃんを縛る色んな事情のせいだと思ってるわ。
だから、Aちゃんを独りにさせたくなかったの。せっかく人が居るのに、お友達になれないなんて悲しいもの」
蛙吹は徐ろに携帯を手に取り、二枚の写真を続け様に爆豪に見せた。どちらにもAが写っている写真。
一枚目は食堂で撮られたものだろうか。菓子パンを手に持つAがムスッとした顔で鬱陶しそうに目線を外していた。
二枚目は文化祭の時の写真だった。写真の中のAはぎこちなさの残る笑顔を携えて、蛙吹の隣でピースをしていた。
蛙吹「本当に嬉しかったの。やっと本当のお友達になれた、一緒にヒーローを目指す事が出来るって、皆んなで喜んだわ。……それが今、Aちゃんは居ない。また暗い所に居るんじゃないかしら、寂しい思いをしてるんじゃないかしら、泣いているんじゃないかしら……
そう考えたら、止まってなんていられなかったのよ」
爆豪「……」
リアリストであると思う。自分も、此奴も。だが目の前の者は叶わない事に足掻いている。そんなもの、諦めるしか道は無いと言われているのに。だから、
テメェは、どんだけ俺をイラつかせりゃあ気が済むんだ。
無性に腹が立つ。
和泉Aが嫌いだ。
中学での自分のテスト順位はいつも二位。どう頑張ったって勉強で頂点に立つ事は出来なかった。
いつも澄ましたような…よく見れば諦めたような顔がとにかく癪に障った。いくらか噛み付いて来れば……
挙句に重すぎる生い立ちと強すぎる個性を背負っていた。何でも出来るくせに、何もしていない。端からこの世界に何も期待していないその鈍い蒼が、大嫌いだった。
同じ高校に入って、最初は視界にも入れたくない程だった。だが、次第に認めざるを得なくなったのだ。Aの強さを、弱さを。
蛙吹「ヒーローになるのだから放っておいてはいけない、そう考える人もいるでしょうね。でも……違うの。私はただ、お友達と笑って過ごしたいだけなの。Aちゃんだって、望んで行った訳では無いと思うわ」
爆豪「俺はアイツが嫌いだ。勝手にしやがれ」
そう吐き捨てて、爆豪は蛙吹の横を通り過ぎた。
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すみた先生(プロフ) - 月夜さん» ありがとうございます！大変励みになります！！急いで書きますので今しばらくお待ちを！ (2021年10月13日 22時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - とても続きが楽しみです。どのような結末になるのかワクワクします。頑張ってください (2021年10月13日 13時) (レス) @page38 id: f649cf9af2 (このIDを非表示/違反報告)
ミャーコ - すみた先生さん» 確かにスッゴいビックリしたけどこれはこれでめっちゃ楽しみです…！夢主耐えて…！そして皆で夢主を助けて…！ (2021年9月20日 14時) (レス) id: 09901ebca6 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - ゆうなさん» みなさんの予想を裏切ってしまって大変申し訳無いですが、どうしても最終局面でシリアスぶちかましたかったんです……ここからは私好みの話になりますが、チラッとでも読んでいただけたら嬉しいです！ (2021年9月20日 8時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな - ミャーコさんと同じく予想してなかった‥‥え？こっから楽しいみんなと学校生活始まるんじゃないの？ かっちゃんとのラブラブ始まるんじゃなかったの？え、目から水が、 (2021年9月20日 1時) (レス) id: e740e61b6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年7月21日 18時
