363 NOside ページ33
塚内「オールマイト、分かっていると思うがあそこに入れられた者で生きて出てこられた者は居ない。つまり……いくら君でも手遅れなものは」
ｵｰﾙﾏｲﾄ「塚内くん」
車内の音が一声によって消え去る。塚内は言葉を遮られた事に腹を立てるでもなく、また言葉を続ける訳でもなく、オールマイトの言葉を待った。
ｵｰﾙﾏｲﾄ「……私は、彼女の苦しみを知っていた。もちろん雄英に来てからだけどね。
誰よりも個性というものを嫌い、怒りや憎しみの矛先をあらゆる所へ向けていた。中でも自分自身に最も重く辛い痛みを背負わせて」
塚内「……現役時代に救えなかった事を悔いているのか？だとしてもそれは仕方なかった事じゃないか。何せ国家機密だったからな、君でさえ知り得なかったのは当然といえば当然だろう」
ｵｰﾙﾏｲﾄ「違うんだ塚内くん」
オールマイトは両手を固く握って、前方に見えるタルタロスを睨みつけた。
ｵｰﾙﾏｲﾄ「私はもう、手遅れだ仕方無いなどという言葉を彼女に突き付けたくないんだ。永らく絶望を味わってきて、それでも救うことが出来た彼女を、もう一度どん底に叩き落とせる訳が無い。
現役を退いてしまった私に国民全てを守り、幸せにする力は無いだろう。だが、せめて教え子は……ヒーローを目指す子らは、守りたいと思う」
知らなかったとはいえ、確かに救けは求められていた。万人を救う事は出来ずとも、その声を誰かが聞いて救けるように出来なかったのは、ヒーロー社会を牽引してきた自分にも責任がある。
だからこそ、ようやく自由に夢を追いかける事が出来るようになったAを暗い部屋に閉じ込めるべきではないのだ。オールマイトの意志は固い。相手が国であろうと、それを覆そうと一人タルタロスに赴いた。
三茶「着きました」
塚内「では……」
隣を見た塚内だったが、オールマイトは塚内の言葉を聞くことも無く車を降り、入口まで早足で歩いた。
三茶「……警部、さっきの事は本当に」
塚内「そんな訳ないだろ。……確かに彼女の個性は世界に類を見ない万能且つ最強個性だが、雄英に通うようになってからは上手く制御出来ているように思える」
車窓から海を眺めながら、"彼女も雄英もな"と小さく呟いた。
塚内「そもそも俺だって反対だよこんな理不尽極まりない措置は」
三茶「……自分もです」
二人は眉を寄せた。
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すみた先生(プロフ) - 月夜さん» ありがとうございます！大変励みになります！！急いで書きますので今しばらくお待ちを！ (2021年10月13日 22時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - とても続きが楽しみです。どのような結末になるのかワクワクします。頑張ってください (2021年10月13日 13時) (レス) @page38 id: f649cf9af2 (このIDを非表示/違反報告)
ミャーコ - すみた先生さん» 確かにスッゴいビックリしたけどこれはこれでめっちゃ楽しみです…！夢主耐えて…！そして皆で夢主を助けて…！ (2021年9月20日 14時) (レス) id: 09901ebca6 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - ゆうなさん» みなさんの予想を裏切ってしまって大変申し訳無いですが、どうしても最終局面でシリアスぶちかましたかったんです……ここからは私好みの話になりますが、チラッとでも読んでいただけたら嬉しいです！ (2021年9月20日 8時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな - ミャーコさんと同じく予想してなかった‥‥え？こっから楽しいみんなと学校生活始まるんじゃないの？ かっちゃんとのラブラブ始まるんじゃなかったの？え、目から水が、 (2021年9月20日 1時) (レス) id: e740e61b6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年7月21日 18時
