124 相澤side ページ28
根津「さっきのはどういう意味だい？」
分かってるくせに聞いてくるのが校長だ。相変わらず読めない
相澤「いくら精神的に幼くても、あいつは15、16の高校生です。これはヒーローとしてではなく一人の大人としての意見ですが、"仕方ない"の言葉で甘やかしていては、大人になった時苦労するのはあいつです。」
もちろん、ヒーローとして言うならあいつにはヒーローになって欲しい。あれだけ人間を理解し、全てに優れている生徒はいない。こんな社会だからこそ、ああいう人材は重宝される
ヒーローになろうが教師になろうが、人は成長し大人になる。どこで生きようがそいつの勝手だが……
相澤「俺はただ、あいつには人として真っ当な人生を生きて欲しいんですよ。不幸を体験してきた分、これからは。」
根津「君らしくないね！そんなに生徒を気にかけるなんてことなかっただろ？」
ああ、俺らしくない。なんでこうなったのか。いや、とっくに分かっているのにそれを言葉にしたくないだけだ。それこそ俺らしくないが
相澤「俺だって人間ですよ。考えなんていつも一定とは限らないでしょ。あいつが俺らの肩書きを気にしてるなら、それを取払った上で話しましょう。」
マイク「でもあいつは個性を嫌ってるんだろ？個性持ってる限り真っ当な人生ってのは無理なんじゃねえか？」
根津「教師は"無理"なんて使ってちゃいけないのさ！可能性を示す、それが大人さ！」
相澤「個性を危険だと思われてるから雄英に来たんだろ。」
香山「ご丁寧に国の指示でね」
相澤「なら覆せばいい。それの実現に一番手っ取り早いのがヒーローになるってことだ」
ヒーローになって世間に知らしめればいい。個性の制御が出来る、人も救える、自分はもう危険因子ではないと。そしたら解放されるだろ、一先ずは
根津「1つずつ解いていくしかないのさ！彼女は複雑過ぎるほどに絡まった糸のようだからね！」
根本的な解決にはならない。個性社会そのものを憎んでいるなら手の施しようがない。あいつ自身が変わらない限り──────────
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2020年8月1日 11時
