自由は (ページ20) - 小説/夢小説

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零「Aちゃん、私ね、本当は実在しないものなんだ」

涙が収まり、呼吸も落ち着いてきた頃、零ちゃんがポツリと呟いた。

急にどうしたんだろう、

『……知ってたよ』

零「ここも君の意識の中。……ごめんね、黙ってて」

『いいよ謝らなくて。私も甘えてたから。

でも、どうして今？』

零ちゃんの意図が分からない。

零「ほんとは、現実世界でも存在して君の助けになりたかったんだけど、私はここでしか生きられないから。

Aちゃんが苦しんでるのに、こんな幻を見せたりしちゃった。」

気休めにしかならない、と言った彼女の横顔は儚く、とても私より年下とは思えなかった。

『零ちゃんは、どうしてこの世界にいるの？』

単純な疑問だったのだが彼女は言い淀んでしまった。質問を間違えたかな

零「……私はここにいたいから。私の意思でここにいる。君の意識の中は心地良いから」

『私の……？』

零「とっても温かい、優しい人の心だよ！」

……違う

『違うよ……私は優しくなんて。人を差別してるんだもん、最低な人間だよ』

零「そんなこと言わないで……」

！！

『ご、ごめんっ……』

ポロポロと水滴を零す彼女は、泣いてると言うよりは勝手に涙が流れている感じだ。まるで感情が伴っていないかのように

零「私はAちゃんをよく知っている。君とは一心同体なんだよ。だから、

私(心)に嘘をつかないで」

『……ごめんね。でも、私はもう正しいことが分かんないんだよ。

多分、あの人たちは優しいんだ。香山さんも、相澤先生も、マイク先生も、梅雨ちゃんも、緑谷も、爆豪も、轟も……でもっ』

零「"信じられない"？」

はは、零ちゃんに隠し事は出来ないね

『人を信じることすら出来ない私に存在価値はあるのか、って思っちゃって』

我ながら人間の底辺だと思う。人の優しさを踏みにじってしまったのだから。

なのに

零「私はAちゃんの味方だよ！」

どうして君は私の欲しい言葉をくれるんだろう