Z=9:TRUST ページ10
「貝殻の用途……炭酸カルシウムの使い道ね〜」
司「千空は4つあると言っていたんだが」
千空と大樹が貝殻の凄さを話している間、司に声をかけられた。
「まず土壌をパワーアップさせるよね。んでモルタルにもなるし〜、石鹸にもなる!千空が話したのはこの3つだろう?4つ目はチョークだよ」
司「チョーク?」
「そ!でもこの時代にチョークなんて無用だからね〜どうせ使わないしって事で3つに誤魔化したんでない?
ていうかさ、なんで私に聞いたの?私嘘つきだよ?」
司は顎に手を当てて考える素振りを見せた。
司「うん、君は千空に嘘をつかないだろう?そして千空のやっている事に全信頼を寄せている。科学に嘘をつけないのは君も同じなんじゃないかい?」
「……やーっぱ千空と長く居ると思考がダダ被りになっちゃうね……
ご名答。私は千空に嘘をつけない。科学も然りだ」
両手を上げて降参を示した。司は"やはり"といった顔で頷き、教えてくれてありがとうと言って2人の所へ戻って行った。
「……人を騙す基本だよ司くん」
小声で言ったのは聞こえない。
大樹「千空、俺は先に貝を持って帰るぞ」
千空「ついでにこの助手も連れてけ」
大樹「分かった!行こうA!」
「競走っすね〜んじゃお先!」
籠を担いだ大樹を置いて走る。……貝か。炭酸カルシウムの使い道その4は火薬よね。司がそれに気付くまでの時間稼ぎは出来ただろうけど……
「人を見る目が無いなぁ……」
大樹「何か言ったか!?」
「なぁんも!」
嘘を見抜けないのは責めないけどさ、たった一度の会話で人を信用するのは感心しないなぁ司さんよ。世の中には悪〜い人がいっぱい居るわけだし。ほとんど石になったけどね。人は疑わないと。疑わずして確信は無し、ってね。
大樹「A!俺は洞窟を見てくる!」
「はいよ〜。籠持ってってやるから早めに終わらして来なよ」
という忠告も聞かずにスッタカターと走って行く大樹には呆れ返るね。そこが面白いけどさ、と言いながら籠を背負って拠点に走った。
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2022年2月26日 21時