Z=47:交渉相手は選べ ページ49
「何がどこまで出来ているのか。君が知りたい事を教えるよ？」
氷月「本当に銃は完成しているのか。彼らの狩猟方法。出来ている薬の種類」
「さっき見た通り、銃は出来てる。ただ私らが知ってるような拳銃じゃない。ホント、最低限の威力で弾を押し出すだけみたいよ？実質、あれは音がデカいだけ」
まぁ銃なんてまだ作れないけどねぇ〜それっぽく、あくまでコイツら側が優位に立ってるっぽい事を言えばいい。コイツだって今すぐには気付かない。
「村の主食は魚。湖がデカいからね、魚も結構獲れる。近くに川があっただろう？そこでも川魚が獲れる。野生動物……具体的に言えば猪とか鹿、ましてやライオンとかに関する狩猟知識はほぼゼロに近い」
氷月「……」
「んで薬？流石に何の薬とかは、薬剤師じゃないんで正確には分からない。ただ、長い間この村の巫女は病気を患ってたけど、千空が治したらしいよ」
氷月「病名は」
「何せ、薬を作り始める前にはもう追い出されたからね。聞けずじまいではあったけど、相当重い病気だとは言ってたね。普通の薬じゃまず治せないような、う〜ん……特効薬、みたいなものかな？
あぁ、それを作る際には死にかけたって聞いたなぁ。何やら危険な液体を採りに行ったとか」
さて、ここまではコイツも茶番のつもりだ。この問答に意味は無い。多分、私を測っているんだ。どんな人間なのか。
氷月「2つ目、それから3つ目も」
「村は老人が多い。若い奴も居るには居るけど、日頃から戦闘訓練をしてるのは2人。君がさっき仕留め損なった門番の2人さ。それと、もう1人。名前は忘れたけど、村一番の大男が居る。長の座を狙ってる暴君、それなりに戦闘能力は高いと見た。
こっちの土地からあの村への道は橋一本のみ。……って、彼らは思ってる」
……これだけは、裏切りと言われても仕方ないねぇー。だってしょうがないじゃない？自分の命が惜しいもんでさ。
「湖の対岸から小舟で接近。橋に意識を集めつつ背後から放火、なんてすれば一網打尽よ」
氷月「……中々ちゃんとしてるみたいですね。脳が溶けていると言ったのは訂正します」
「そりゃどーも。で、見逃してくれるんだよね？」
用は済んだ、と私は踵を返そうとした。
氷月「いえ、殺しますが？」
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2022年2月26日 21時
