Z=45:ドジ ページ47
ドォーン……
「銃声……銃なんかすぐ作れるもんじゃないっしょ」
てことは、既に交戦中の彼らにハッタリとして即席の銃擬きを作った訳ね。いやまぁその様子はチラッと見えてるんだけども。
「ハァーン……?ゲンで時間稼ぎねぇ?」
さっき見た1人だけ違う足跡、確実にあの黒マスク野郎だな。周りの頭の悪そうな大男に対して、長い槍持ちか。それにしても……雰囲気が桁違いだべ。気付かれていないはずなのに、殺気が私にも向けられている気がする。
お、退くか?
戦いを直に見てた訳じゃないけど、感覚で分かる。あれは強い。暴力に躊躇いが無いな……あー怖い怖い。
さて、薄情モンになりたかないのでさっさと戻ろうかね。
「……あ」
「ん?……!お、お前っ!!」
ゲン「ウッソ……!?」
どうやら最後尾に居たらしい男は、以前私に槍を突き刺してきた彼。隣に居たゲンが目を見開いたのが視界に入った。
……もしかしなくても、この状況さ、ヤバいのでは?
「お久〜あん時はどうも」
「し、死んだはずじゃ!?なんでここに」
「運良く生き延びちゃってね〜ゴメンだけど、殺すチャンスはあれ1回っきりって事で。じゃ!」
氷月「この状況で逃げれると思うとか。脳が溶けてるんですか」
おっとまさかの黒マスク野郎のご登場だぁ。こりゃヤッベーぞい!危機感無いと思うっしょ?大アリ女王アリ!クソ程焦ってるっつーの。下手したら死ぬ。いや、多分今は死ぬ確率の方がアホ程高い。
氷月「……司くんが言っていた、Aくんですね?その薄ら笑い、確かに不快ですね」
「ドイヒ〜これ一応マジ顔なんだけど」
氷月「ゲンくん、仲間ですか?」
ゲン「いやいや!この子村から追い出されてんのよ。ホラ、こういう性格じゃん?流石の千空ちゃんも許容出来なかったらしくて」
ヒソヒソとわざとらしく囁くゲン。氷月の、開いてんのか分かんない目は、その間もしっかり私に向けられていた。
氷月「……傷」
ゲン「え?」
氷月「彼の報告では、槍で腹を突き刺した後、彼女が自ら滝壺に飛び込んだらしいじゃないですか。脳が溶けているとは言え、パワーで言えば女性の腹を貫くなど難しい事ではない。
致命傷になったはずです。そんな傷を負って君一人で何故生きていられるのか、聞かせてくれませんか?」
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2022年2月26日 21時