Z=4:尋問 ページ5
千空side
「ん〜しょっぱいねぇ〜!滾る!」
千空「塩かけすぎだアホ。高血圧なるぞ」
「誰が持ってきたと思ってんだい?」
千空「死にてぇのか。Aテメーが大樹に選ばせさせた毒キノコ食わせてやろうか」
大樹「なっ!そうだったのか!?」
アホほど塩かけた焼きキノコを頬張るAの頭を叩く。痛く痒くもないくせに"痛いよぉ〜"と泣き真似しているのは無視して、俺もキノコにありつく。程よい塩味に空腹が満たされていく。
千空「おい、今からする質問に正直に答えやがれ」
「善処する」
ケロッとした顔を見て、やっぱ嘘泣きじゃねぇか、の言葉は飲み込んだ。どうせ言っても何にもならねぇ。
千空「いつ起きた」
「匂い的に4月そこら」
大樹「匂いで暦が分かるのか!?」
千空「こいつの鼻バグってんだよ。んじゃ次。俺と会う前、どうやって生活してた」
「フッツーに動物狩って食って寝てた。あ、ちなみにこの服ね、鹿の革から作った。いやぁ〜サバイバル知識がこんな所で役に立つとはね〜正直びっくり!」
本当にそう思ってんのか思ってねぇのか曖昧な顔はまた無視して、間髪入れずに次の質問を投げかけた。
千空「起きたのはどこだ」
「あ〜それね。それは」
千空「洞窟の側、か?」
ピクリと眉を動かしたのを視界に捉えた。雑頭の大樹は気付いてねぇが、俺にははっきり動揺が見えた。つってもコイツにとっちゃ知られても別にいい情報のはずだ。
「せーかい!やっぱバレた?だよね〜千空そんなバカじゃないもんね〜」
大樹「あの奇跡の洞窟にはAも居たのか?」
千空「あぁ……コイツは、俺らより先に目覚めて俺らに気付き、自分の居た痕跡を消してたんだよ」
今日大樹が騒いだから洞窟に行って違和感を覚えたのが正解だったな。洞窟の壁に、僅かながら傷があった。明らかに人が付けた傷。
「だって千空はさ、いつ起きるか分かったもんじゃないっしょ?あのまんまあそこに居て君のお目覚め待ってたら、素っ裸見られてこっちが大変な訳。千空だって嫌じゃん?あぁもし見たかったって言うなら申し訳なかったね」
千空「おしゃべりな口閉じて質問にだけ答えろ」
「ヒヒっ、でも結果オーライ!今んとこ誰も死んでないし、何なら人手が増えた。順調に人増やしてけば元の世界だって夢じゃない」
千空「テメー元の世界になんか興味ねぇだろ」
「まぁね〜」
今が楽しいからさ、と言ってまたキノコを頬張った。
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2022年2月26日 21時