Z=20:危機に飛び込む ページ22
「君、名前は何て言うんだいビビり君」
銀狼「……銀狼」
「そうかい。じゃあもう1人は金狼か銅狼だね。どっちでもいいけど。私はA、どう呼んでもいーよ。
さて銀狼、これから私が何をしても決して動じないこと。いいね?」
銀狼「どういう事……?」
「前を見な」
エメラルドグリーンの泉。……硫酸源を生で見るのは初だなぁ。
横目に銀狼が居なくなった事を確認しながら息を吐く。長く、長く吐いて…………一気に吸って岩をよじ登って銀狼の腕を支える。
千空「Aっ!?バカッテメー!なんでマスク着けてねぇんだ!!」
「……」
今はこっち、と目で言う。死の一歩手前に居るという事で恐怖を感じないでもないが、それ以上に……滾る!頬が紅潮するのが分かる。あーヤバい、ここで息したら死ぬじゃん。筋肉稼働に酸素は……まぁ足りるか。……それより、喚く銀狼をどうしようかね。喋れないしなぁ……
クロム「おぅ銀狼……自然がどんだけ強かろうがな、自然には考える頭もねぇしハートもねぇ!俺らが勝てんのは、そこだけだろうがよ……!!」
名前は知らないが良い事言うじゃん〜。
「……っ」
銀狼「(そうだ、僕は……護衛、銀狼。Aちゃんの支えがあれば……!)
頭とハートで、恐怖に克つ……っ!!!」
一本釣りかのように陸に引き上げたのを見るや否や、私は3人から離れた安全地帯に跳んだ。
「っ、は……ヒヒっ……!…………っ」
千空「Aっ!」
背後から腕を掴まれた。振り返ると、眉を吊り上げた千空が居た。……怒り6割、心配3割、困惑1割ってとこか。
千空「こればっかりは許せねぇぞ……!結果オーライとか言うんじゃねぇだろうな」
「言わせてくれないみたいだね」
わざと煽るような言い方をしてみる。
千空「っ……死ぬとこだったんだぞ」
「それはそこの茶髪君に言いなよ」
千空「あ"ぁ?」
更に眉間のシワを深くした千空に銀狼がおずおずと話しかけた。
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2022年2月26日 21時