Z=16:メンタリスト ページ18
千空「大樹と杠は元気にやってっか?」
ゲン「……あ〜カマかけてんの。勇気あるねぇ、メンタリストにそんな勝負挑んじゃう?
まぁ、2人とも超元気よ。特に大樹ちゃんの引くほどゴイスーな体力にはびっくり!」
千空「……メンタリスト。テメー、なんでカマかけてるって分かっててバカ正直に答える」
ゲン「情勢が変わったのよ。正直10:0で司帝国の圧勝かと思ってたけど……これ見たらねぇ」
見上げるのは製鉄機。千空はその横顔を見て、Aの影を思い出す。
彼はペラペラの紙のような言葉を吐き、それでいてある意味真っ直ぐな男であると。欲に正直なのか、誰を切ってでも勝ち馬に乗ると言い切ったゲンに、千空はますます仲間に引き入れたいと思う。
千空「もう1人。Aっつー奴の名前は聞いた事あるか?」
ゲン「A?あ〜司ちゃんに嫌われてる子?大人しい子だと思ったんだけど、全然違うみたいね。俺と同じ匂いがする」
千空「あ"ーソイツだ。テメーがここに来る前、司に殺されるような事あったか?」
ゲンは目を丸くする。殺される?と聞き返し、千空が頷く。
ゲン「いーや、俺が帝国を出る前までピンピンしてたよ。司ちゃんの話じゃ、千空ちゃんを失って以前のような気力は無いらしいけど……あれはまだ何か企んでる顔だね。そのうち来るんでないの?」
千空「……テメー、アイツに何か言われたな?」
ゲン「話した事すらないってば!俺は個人的に気になるけどね、あっちから俺に近寄ろうとしなかった」
そりゃそうだろうな、と千空は心の中で呆れる。千空の知る幼き日のAが眉をひそめる場面を、千空はよく知っていた。彼女が人を騙して笑うのは、それが単に面白いから。騙して面白くない人には近付きたがらないのだ。
同族嫌悪。分かりやすいAの特徴の一つである。
だが、結果のためなら手段を選ばないAでもある。そして一度死んでから司の元を離れるには、内部からの手助けが必要になるかもしれない。Aであれば、一番可能性を感じるのは千空と同じく、あさぎりゲンという男であるはず。
千空「……まぁそういう事にしといてやるよ」
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2022年2月26日 21時