67話:儚く美しい我が友へ ページ21
「本当なら……お前は自由なはずなのに、相手が好きすぎるから……そうなっちゃったんだろ……？分かるよ。だって鈴は、どこまでも粘る奴だって知ってるから。
……俺が、心配なら……大丈夫だよ。1人が不安でも、大丈夫だ。俺はもう……鈴に全部頼らなくても生きていける。鈴……お前だって、俺に依存しなくたっていいんだ」
直哉「……このお人好しが」
甚爾「……確かにな」
呪いは本来祓うべき対象。呪われて苦しむ人を減らすために、呪術師は存在する。でも……鈴は、悪い呪いなんかじゃない。他人に危害を与えるのは、俺が心配だからなんだ。
「な、鈴。俺から解放されさえすれば……お前は……呪いじゃなくなる。もう嫌われもしない、祓われる事も無い。……鈴はずっと、俺を救けてくれた。だから今度は……
俺が、お前を救うよ」
《A……》
感謝してるんだ。その愛情が、普通のものでなかったとしても、俺には唯一無二の温度で、嬉しかったから。俺は知ってるよ。鈴が、本当はただ好きな人に焦がれたいだけの、普通の女性だって事。
最初に理解してくれた、素晴らしい友達。俺と鈴の繋がりは、友愛で創られている。
「俺も直哉も甚爾も、他の誰もお前を傷つけない。お前は好きなように……どこにでも行ける。
鈴、お前は呪いなんかじゃないよ。本当の自分を……思い出して」
持ちつ持たれつの関係は美しいと思う。互いが互いに背を預け合って、均等なパワーバランス。信頼が根付く関係に俺はずっと依存していた。だけど、それはただ一つではいけないと学んだ。
色んな人が居て、色んな物があるこの世では……否が応でも関わりを持たなくてはならない。その中で、見つけたい。俺が好きなもの、信じたいと思うもの、本気になりたいと思うもの。
鈴にも見つけて欲しい。俺の大切な、本当に大切な友達だから。
「ありがとう、俺を救けてくれて。記憶を返してくれて。俺を生かしてくれて。本当にありがとう」
《……礼を、言うのは……私の方です。
ありがとう、A。誠に……そなたは素晴らしい友よ》
そう言って笑った顔は、何も飾らない、何の淀みも無い、どこにでも居るような人の笑顔だった。
鈴は、最後に深く頭を下げて、"どうか、幸多からん事を"と言って……朝焼けに溶けた。
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ｃ - イメ画とかいらね (2022年3月14日 13時) (
レス) @page30 id: 18168bf8a3 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 朔夜さん» コメントありがとうございます！なんか途中から某クズ男が出てこなくて困惑してる作者です(笑)。でも一先ず山場は越えたので私としても良かったです！ (2022年2月6日 23時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 鈴さんが救われて良かったです！ (2022年2月6日 23時) (レス) id: 86462b34bc (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - ツバメさん» ありがとうございます！なるべく早く更新するよう頑張ります！！ (2022年2月6日 22時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 面白いです もっと見たいです更新頑張って下さい (2022年2月6日 22時) (レス) @page20 id: 020ea1b549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2022年1月19日 23時
