禪院家次期当主候補に拾われた話【呪術廻戦】【男主】

8話:合同任務 ページ10

午前を三輪とメカ丸との話に使い切り、午後と実習。割と話せるようになった三輪は、真依と3年生の西宮という奴と3人で赴くらしい。メカ丸はカモという鳥みたいな名前の奴と。そして残った俺だが、東堂という男と一緒らしい。だいぶ憐れまれたが、まぁ余程のちんちくりんでない限りは任務を放ったりはしない。やったら直哉がうるさい。

真依「……気を付けなさいね」

「……心配してくれるのは有難いが、俺は多分何もしないだろう」

真依「そうじゃなくて……あの人の相手よ」

補助監督という奴の車までみんなで歩いていくと、先に3年生が集まっていた。


魔女のような小柄な女。袴姿の糸目。そして物凄い筋肉量のゴリラ。恐らく左から西宮、カモ、東堂だろう。とすると俺のペアはあのゴリラか。車に乗れるんだろうか。狭いのは嫌いだ。


東堂「そこの転入生！」

「……」

東堂「だいぶ小柄と見たが、女の好みまでは分からん。どんな女がタイプだ！」

どうしてこの身長をまず最初に指摘するんだろう。もう少し常識を身に付けた方がいいのでは？というか初対面の人間に対してタイプを聞くのは少々礼儀知らずというか……まぁ礼儀知らずは俺が言えた事じゃないけど。

「……まず名前言った方がいいぞ」

東堂「それもそうだな。俺は東堂葵だ。2年、名は」

「……赤露A」

東堂「そうか赤露！で、女のタイプは」

「……知らねぇ。別に女が好きな訳じゃねぇし。あぁ、男が好きとかでもないからな。勘違いするなよ？」

東堂「理想はないのか？」

「……理想か……人間として好きな部類に入るという意味で取っていいか？だとすれば……

強い奴、かな」

車に乗り込みながら答える。東堂も反対側から乗り込んだ。……やっぱり狭い。


東堂「強い……とはどういう面の強さを指す？」

「……何でもいい。力でも、頭でも、精神でも。どんだけクズでも、俺はそいつの近くに居たいと思うだろうな」

東堂「そうか。お前とは趣味が合わん！残念だ」

「……ん」

東堂「そもそもお前、何故ここに居る？呪いがかかってるように見えるが」

「……そこら辺で憑かれた。でも良い奴だし、俺の言う事しか聞かない。暴走もしない」

みんな(教師の女も含め)はこいつをとんだ問題児だと言っていたが、案外そうでもないのかもしれない。脳筋に見えて頭は良さそうだ。うん、こいつの強さを見るのが少しだけ楽しみだ。

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