禪院家次期当主候補に拾われた話【呪術廻戦】【男主】

29話:回復 ページ31

「……ん」


五条「おはよー」

目を開けた時、目の前で手を振る白髪が見えた。目隠しで目は見えない。……五条か。

五条「いやービックリだね！まさかたった一晩で目を覚ますとは」

「……」

腕を伸ばして手を開いたり閉じたりした。そして起き上がる。……痛みは無い。苦しさも無い。というか……快調だ。

「……お前が、治したのか？」

五条「いやいや。だって僕さっきまで報告に行ってたし。誰もここには入ってきてないはずだから、君が自分で治したって事になる」

「……？でも俺は……反転術式は」

五条「無意識に使ってんじゃない？その術式じゃ不可能じゃない。むしろ他より手順は簡単なはずだ。……語弊があったね。君じゃなく、君に憑いてる怨霊かな」

……そういえば、ずっと誰かが俺に呼びかけていた気がする。名前を呼ぶだけだったけど、俺を心配しているような……そんな声。俺は答えたかったけど、どこも動かなかったんだ。……そうか、お前が俺を助けてくれたんだな。

五条「これからみんなの所に行くけど、来るでしょ？」

「……交流会、中止か？」

ベッドから降りながら聞くと、五条は口角を上げて首を横に振った。

五条「それを決めるのは僕達じゃない。ほら行くよ、その事も含めて今後の事決めるんだから」

「……ん」



……あれ。そういえば俺……



「沖縄に居たはずじゃ……」

五条「！……何て？」

「……ん？俺、今何て言った……？」

五条「……A、行くよ」

「……なぁ、俺何て」

五条「腹減った、だって。確かに何も食べてないからね〜、行く途中でジュースくらいは買ってあげるよ」

「……？そうか」

そう言われてみれば腹が軽く感じる。結構体力消費したし、後で三輪から何か貰おう。

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