3話:まともな会話 ページ3
「……親が呪術師だった。1級の。お前からしたら誰ってなるかもしんねぇけど。
でも……呪力の事も、呪いの事も知らねぇ。親は俺に何も教えてくれなかった。……で、死んだ。そこら辺歩いてたら……壁があったから、座ってた」
直哉「……親の名前は」
「……なんで言わなきゃいけねぇ。関係ないだろ」
直哉「知っとるかもしれんから聞いとんのや。はよ言え」
少年はじっと直哉を睨み、そして警戒心を解かないままボソッと口に出した。
「……せきろ、ともや。と、なおこ」
直哉「!赤露……」
口馴染みのある名前。直哉は驚いて目の前の少年を、足先から頭のてっぺんまでジロジロと眺める。少年は気味が悪そうに直哉を見ていた。
直哉「……子供居ったんやなあの2人」
「……知ってんのかよ」
直哉「特級も夢やない人らやったで。特に誠也くんはな。そんだけ強かった。…………あ」
突然、間抜けた声を上げた直哉。記憶を辿っていったら、少年の深緑の瞳には見覚えがあった事を思い出したのだ。容姿が違いすぎて気付かなかった。
直哉「確かに居った気もするな……自分」
一応それなりに世話になった先輩だったので、殉職したと聞いて葬式には出席したのだった。親族の席に座っていたのは子供一人に大人二人。それ以外は呪術師で会場は満杯だった、それだけは覚えていた。
直哉「自分の術式は」
「……知らねぇっつってんだろうが聞いてなかったのか」
直哉「……君口悪いな」
「……人の事言えんのか?匂うぞ、お前もクズの匂いがする。クズがクズに口出ししてんじゃねぇよ」
直哉「自分がクズなんは認めるんやな」
少年はまだ警戒したように瞳孔を開いて直哉を睨んでいた。
直哉「つまらんかどうかは今決める事やない。昨日そう言ってたで。
ほな、つまらんかおもろいか決めよか」
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すみた先生(プロフ) - ツバメさん» 甚爾は完全に私好みで生存させました(笑)。お褒めの言葉ありがとうございます!!続編も頑張って更新しますのでお楽しみに! (2022年1月30日 11時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 甚爾きたーー!最高です( ´艸`) 続編楽しみです (2022年1月30日 0時) (レス) @page21 id: 020ea1b549 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - せなさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2022年1月27日 22時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - すみた先生さん» なるほど、わかりました! 作者様の中できちんと理由があったのなら、大丈夫です!(?) 続編の説明も拝見しますね! これからも応援してます、頑張って下さい! (2022年1月27日 21時) (レス) id: d530fc9998 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - せなさん» コメントありがとうございます!そのことに関して私の中で完結させていたので、説明が無いままでした。申し訳ありません。続編にて説明の場を設けたいと思っていますので、お手数ですがそちらの方でご覧になって頂ければ幸いです。 (2022年1月20日 18時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2022年1月9日 2時