孤独にサヨウナラ ページ27
〈全部お袋のせいだ……なんで牛島を捨てたんだっ〉
〈どうしてそう反抗的なのよ！真っ当な人生送らせてあげるって言うのに！〉
〈バレーなんか辞めろ！そんなものにかける金は無い！〉
〈お願いだからこれ以上恥をかかせないで！ほんとに……そんな人間に育てたつもりないわ！〉
〈何故そんな事も分からないんだ……この出来損ないが！お前のせいで俺達の扱いは酷くなる一方なんだぞっ！〉
〈大して上手くもないバレーなんか今すぐ辞めてしまいなさい！〉
ずっと、そうなんだと思っていた。確かにアイツらは嫌いだし憎い。でも、俺が出来損ないだというのは間違ってはいないんだと。
ずっと、痛かった気がする。前に進もうとする俺を引き留めるように、連れ戻すように、首や腕をがっしり掴まれて。
夜は嫌いだ。俺を助けてくれる奴が居ないから。すげぇ痛くて、苦しくて、寂しいんだ。寝れば楽になるなんて嘘、俺は苦しみや痛みが怖いから寝ないんだ。
俺の意思とは関係なく流れ続ける涙を止める術を考える事も出来ず、ただ頭に乗せられた重さに泣きつくだけだった。
鉄錆のようにこびり付いていたものが、止まる事を知らない涙と共に外へ流れ出る感覚。
「お前は悪くない。出来損ないでもない。俺達の友達で、先輩で、大事な仲間だ。それを分かってれば、もう嫌な夢なんか見ない」
『……っ…ぅ……ふ…っう、ぐ……！』
「……寝れそうか？」
すぅ……と心が軽くなるのを感じた。
『……お、れさ…父親に頭撫でられたことねぇんだけど、さ……』
「？……うん」
『アイツらが普通の親だったら……お前みたいだったんかなぁ……』
親は暴力を振るうだけの存在。でも、それは俺だけだったと気づいた時、どうしようもなく周りに嫉妬した。俺も欲しい、親の温もりってのが。俺だけを見てくれる親が。
『家族って……もっと良いもんだったんかなぁ……？』
「……叶多、それを考えるのは後にしよう。ここには全力のバレーをしに来たんだろ？」
『……！』
「俺はお前がバレーを辞めなくて本当に良かったと思ってるよ」
大地は俺の背中を軽く叩いて立ち上がった。
「今生きてるだけで十分頑張ってる。偉いんだよ。……ほら行くぞ。もう寝なきゃ」
『……おう』
部屋の布団に転がってからの記憶は無い。
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すみた先生(プロフ) - ぁさん» ありがとうございます！次から続編に移行しますので、そこでも頑張ります！更新遅いですが、出来れば読んで行ってください！ (2022年1月28日 17時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
ぁ - 更新頑張ってください！ (2022年1月28日 0時) (レス) id: 4b3179590f (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 千椛さん» ありがとうございます！なるべく早く更新します！！待たせてしまい申し訳ありません！ (2021年10月21日 21時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 更新待ってます！ (2021年10月21日 6時) (レス) @page31 id: 23dec5609f (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 青丹色さん» ありがとうございますっ！クオリティ落ちないように頑張ります！ (2021年8月18日 8時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年8月6日 23時
