想い ページ2
『てめぇらが俺に寄って来なきゃっ！こんな面倒事はしねぇで済んだんだよ！！俺はずっと1人でやってきたのに、それをてめぇらがぶち壊した！』
とても高校生の言葉とは思えない。それほどにその言葉には責任転嫁と、自分は悪くないのだという自己防衛が孕まれていたのだ。
「独りでやるバレーが楽しい訳あるか！」
『！』
「お前だけじゃ出来ねぇんだぞバレーは！」
『っ、分かっとるわンな事！バカにしてんのか！』
「バカだろ！他人の気遣い全部無駄にして、そのくせ自分が気に入らないとすぐキレる」
「だ、大地……もういいって」
止めようとする菅原を、澤村は視線を叶多から逸らさずに止めた。
「スガ……俺は一回、叶多と話をしなきゃいけない」
『だ、から……！しなくていいんだよっ！！』
叶多は澤村の手を振り払おうと体をよじる。
しかし澤村は放さない。今放してしまったら、今度こそ話は出来なくなると、直感でそう思ったからだ。
「いつまで経っても前を向こうとしないのはお前だろ！」
『─────っ！』
「おばあさんが亡くなったのは確かに辛いよ。だけど、たった1人の家族を失ったお前の気持ちは、俺には分からない。分かっちゃいけない気がした。……だからずっと待ってた。お前が踏ん切り付けて、また俺達と一緒にバレーするのを、俺はずっと待ってた」
それは、誰にも明かしたことが無かった澤村の心の内。叶多への願望だった。
「でもお前は何一つ変わってない。どっかで一線引いて、それを越えないように毎日毎日……見てるこっちが疲れる」
そこまで黙っていた叶多は、血走った目を開けて、声を荒らげて反論した。
『お前らには関係ねぇからっ！だから言う必要もねぇと思ってたんだよ！
さっき俺の気持ちは分からないって言ったな。……分かった言ってやるよ。今まで俺が思ってた事全部言ってやる！！』
我を忘れて、叶多は叫んだ。包帯の下では傷が開き、血を滲ませていた。額も、腕も、少しずつ赤くなっていく。
しかしその痛みすら、今の叶多には無いも等しいものだった。
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すみた先生(プロフ) - ぁさん» ありがとうございます！次から続編に移行しますので、そこでも頑張ります！更新遅いですが、出来れば読んで行ってください！ (2022年1月28日 17時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
ぁ - 更新頑張ってください！ (2022年1月28日 0時) (レス) id: 4b3179590f (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 千椛さん» ありがとうございます！なるべく早く更新します！！待たせてしまい申し訳ありません！ (2021年10月21日 21時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 更新待ってます！ (2021年10月21日 6時) (レス) @page31 id: 23dec5609f (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 青丹色さん» ありがとうございますっ！クオリティ落ちないように頑張ります！ (2021年8月18日 8時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年8月6日 23時
