検索窓
今日:22 hit、昨日:28 hit、合計:14,232 hit

113発目 ページ30

3日目。


さっさと帰そうと午前8時にドクターの家まで来た。少しだけ寝惚け気味の頭を振ってドアを開けた。


『っと……お邪魔だったか』


上裸のクロが居て、どうやら診察のようだった。

「冗談じゃねぇ。誰が小僧と見合いなんざするか」

「いつつ………案外反応薄いのねJACK」

『男の体なんか見た事ない生娘の反応を期待してたんならお生憎様』

「まぁお前にはQUEENが居るからな」

『残念。恋愛事には興味無いんでね。

ドクター、クロの体はどうなの』


「問題ねぇ。来週あたりに抜糸すりゃ元通りよ」

『じゃあ予定通り今日帰していいんだね?』

「あんま騒がねぇようにな。傷が開いたら逆戻りだ」

「わぁってるよ」


服を着ながら立ち上がって、ベッドサイドの台からルビーのネックレスを手に取ったクロは、それを首に着けて私の横を通り過ぎて言った。

「帰れるんだろ?」

『……まぁね。外に車があるから先に乗ってな』

「じゃあまた、ドクター」

「次で最後にしとけ」


クロが出て行ったのを確認し、私はクロが座っていた椅子に腰を下ろした。



『ドクター、言っとくけど「分かってる」……』

「これは人助けなんかじゃない、全て自分が助かる為の手段。そうだろ」

『そう』

「俺から見たJACKは変わらない。お前が何してようと、お前のイメージは変わらずクソだからな」

『……助かる。金は払う、今回のは私の失態だからね』

「なら貰っとくか。……しかし珍しいなJACK。お前が自分の失敗を素直に認めるか。それも今回は味方相手じゃねぇだろ」


本来なら拳銃はただのハッタリで、KINGの意識が逸れた所でQUEENが制圧するってのがシナリオだった。KINGの言った通り、自分のアジト内じゃ武器なんて持ち歩かないと思ってた。慢心……クロが倒れた時に指を動かしてなきゃ何も思いつかなかった。


『クロには少し借りを作ってしまったからね。借りはさっさと返した方がいいと思ったまで』

「そうか。……早く行け、待たせてんだろ」

『じゃ。サンキュー』


足早に建物を出た。

114発目→←112発目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年4月10日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。