109発目 ページ26
さて帰ろうかと踵を返す。
『……！……なんでここに居るのかなぁ』
「さあ……俺も丁度ここに用事があったので」
『そ。私らは終わったところだからごゆっくり』
ポケットに手を入れた男の隣を通り過ぎ……
『……』
る所で立ち止まった。
そして構わず進もうとするQUEENの前に腕を出した。
『……やられたよ』
「あ？」
『……ご主じーん…あんた、客を売るとはねぇ』
反り返って逆さの店主を睨め付けた。
「……仕方が無かろう。俺達は日々生きるのに必死なんだ……こんな泥臭い商売で手に入る金なんてたかが知れている。あの小僧は俺に50万を出した、お前さんはちと少なかったな」
『……なーるほどねぇ……』
流石、計算高い王様だこと。
『まぁ何だっていいけど。薬は貰ったんだし、帰らせてもらうよ』
手をヒラリと降って足を動かした。
すると、人の居ないはずの店から人が出てきた。
「……嵌められたな」
『雑魚を集めて何をしようってのさ。
ねぇ？SUGAR』
男はポケットから手を出して、無気力にゆらりと動いた。
「せっかくアジトから出してあげたのに……礼儀がなってない」
『説教はよしてくれるかな』
囲まれたか……
「アジトではしてやられた。だからそのお返し」
『遠慮しとくよ』
さて、帰り道はどうしようか。
『そこを空けてくれるかな。
私は今……
「……？」
「ぐぁっ！！」
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年4月10日 18時
