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102発目 ページ19

『よくあの場所が分かったね。あの場所は初見だろ?』


「……別に。余程の変態じゃない限り出口は見当がつく」

『流石、Catの指揮官なだけある』



「着いたぞ」


ガレージのシャッターを開けて中に入る。

すると、奥からドシドシと足音が聞こえてきた。





「またお前らは……毎回死人ばっか連れて来やがって」

「俺らがいつ死人を持って来たんだよ」

『ドクター、悪いけど1人頼んだ』

「……ったく。……来い」


ブツブツと言いながら進む"ドクター"に着いて行くJACKの後ろを俺も歩いた。俺の半歩後ろにはQUEENと、背負われているクロがいる。それを少し視界に入れつつ、古い電気が照らす廊下を進んだ。




広い所に出ると、そこは病院の部屋のように清潔だった。

QUEENはクロをベッドに寝かせると、近くのソファに深く腰掛けて長い息を吐いた。




「この人は……元医者?」

「どうしてそう思う、小僧」


JACKの代わりに応答した"ドクター"。JACKはというと、洗面台で顔を洗っていた。



「……建物の壁に四角いシルエットが出来てた。そこだけ少し色が新しかった。それにこの部屋も。……外には看板が付けられてたはず。

元っていうのは、今は無免許。第一この時代に人間の医者なんか珍しいくらいだし。発達した機械に仕事を奪われた人間は少なくない」

「……まぁそうだな。確かに俺は無免許だ。昔、人を殺して免許を剥奪されてからは、このガキ共に武器の貸し出しとかをやってんのよ」


『ドクターとは昔からの知り合いでね。子供に武器を与えてくれる数少ない変人だよ』


免許をああだこうだと言うつもりは無いけど、もしクロを死なせられでもしたら色々困る。任せていいのかと少し迷ったけど、





『安心しな。もしドクターが失敗したら、私の首をやるよ』



失敗するとは微塵も思っていないその目に、俺は折れたんだと思う。

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作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年4月10日 18時

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