93発目 ページ10
『フッ……踊らされてた、ね』
「何が目的だ」
「そっちの勧誘」
KINGは私の隣を指名した。
「……は？」
「本当は殺すつもりだったんだけど。ほら、前からお前らは厄介だし目障りだからさ。
でも気が変わった。そっちのデカい方を俺達側に引き入れたい」
『殺そうとしたなら、なんでCatと組んでまでやろうとしたのかな』
「安全だからだよJACK。俺達だけで行っても返り討ちに遭うのは目に見えてるし、Catも俺達っていう後ろ盾があると安心だろうから。それに、CatもCatで色んな情報持ってるからね。
色々利害が一致したって訳」
「……なんで俺だ」
QUEENは2人を睨み上げて声を出した。
「そのパワー、センス。国内でも群を抜いて強い。俺達に欠ける爆発力には、
「ウシワカにも匹敵する、いやそれ以上かもしんねぇ力が、こいつらには必要らしい」
「永遠の2番手なんて御免だからさ」
QUEENの引き抜きか……確かにあったら最強カードかもな。KINGの戦略とQUEENのパワーがあれば……総ナメ。
「そんなんで"はい分かりました"って言うと思うか？」
「もちろん金は出すよ？待遇もバッチリ。要望には全て応えるし、何不自由なく過ごせるようにする。君に不利益なんてないと思うけど？」
「……なんでコイツじゃない」
「頭脳はもう足りてる。ていうか、俺の戦略に嵌ってる時点で技量は計り知れる。
戦闘においての判断力、反射神経、勘、並外れた運動能力。君が逸材だから、俺は欲しいと思う。JACKではなくQUEEN、君がね」
笑顔を崩さないKING。行く末を見守ろうとするクロ。
下を向いていて表情が分からないQUEEN。
「テメェは何も分かっちゃいねぇ」
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年4月10日 18時
