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「つーか……俺らのことが憎くねえのかよ」
「ハイ？」
「(ﾁｯ、ムカつくな……)お前らのとこの部下殺した奴に頼むか普通」
俺がそう言うと、惚け顔だったクロが目を細めて薄く笑った。
「無い無い！
だってあいつらの自業自得だろ？」
「……」
『グラウンドとは少し違うって訳か』
「いんや、本質は一緒だ。
俺らは守りたいものを最小限に抑えてる。それ以外はただの駒だ。それがいくら自分のファミリーでもな。
お前らが殺した下っ端……あー名前も出てこねぇ……まぁそいつら。勝手に子供攫って勝手に身代金取ろうとして、そんでお前らに殺された。全部あいつらの勝手が招いた結果だろ。つまり自業自得、俺には一切関係ないしお前らを恨む義理もねえ」
……確かに、グラウンドも口に出さないだけでこれだけのことは考えてるはずだ。
Phoenixは俺とJACKしかいないし、JACKが信用してるのも俺だけだからこいつらみてぇなことは無い。……だが、
sparrowはこんなじゃなかったはずだ。100人を優に超える構成員がいたって、ボスはそんな素振り一切見せなかった。みんなが仲良くて、家族みてぇな……俺はあそこが大好きだった。
だからこそ、こいつらを見てるとムシャクシャする。どうしてそんな事が言える、そんな事が考えられる。確かに必要に迫られれば俺はJACKも自分も利用するだろう。だが、それは私利私欲の為じゃなく、ただ勝つ為。俺達が勝利するための選択肢の一つだ。sparrowにいようと、Phoenixにいようとそれは何も変わらなくて、仲間が危険になれば命張ってでも助ける。
「てめぇがクソ野郎だってのはよく分かった」
「この世界でンな綺麗事が通じると思ってんのか？」
「綺麗事じゃねえよ」
『まあまあQUEEN。クソ野郎はこっちも一緒だ』
確かに俺ぁクソ野郎だよ。叶多だってクソ野郎だ。綺麗事なんか言うつもりはねぇし、そもそも綺麗事は嫌いだ。
この世に綺麗な人間なんか居やしない。
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年4月10日 18時
