42発目 ページ44
『……腹減った』
夕方6時。回しっぱなしの頭と昼を食べていない腹としては、何か入れたいらしい。
ここで思ったのが、アイツらも同じ状態なのでは、ということ。彼らが昼食を摂ったかは知らないが、まぁ知らない街。なかなか外には出られなかっただろう。
『一応今は仲間だしなぁ……』
恩を売る訳じゃないけど、奢ってやろう。
『アスター、全員に飯行くって伝えて』
《かしこまりました》
ベッドに放られたマスクとバッグとルームキーを持って部屋を出た。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「あー腹減ったー!」
「持ってきたお菓子全部食ったのにまだ腹減っってんのかよ」
「朝何も食べてなくて、昼もちゃんとしたの食べれなかったし……」
「お前が寝坊したからだろうがこのボゲ」
「影山くんうるさいー!」
「全員揃ったな」
『もし勝手な行動してはぐれたら……もう日本には帰れないと思え。いいな』
「!お、お前はいちいち言うことが怖いんだよっ!」
『それだけ危険だと言っているんだ』
「もっと別な言い方あるだろ!」
『生憎だがアタシはこれしか知らない。着いてこないなら置いて行く』
「あっ!待てよっ」
「田中も大変だな〜」
「噛み付いたけどいなされてる感」
「空回りする田中って珍しいな……」
鬱陶しい……何なんだこの坊主。嫌なら嫌で距離取れよ……
「顔に出すなー」
『……うるさい』
「へーへー」
これを纏めあげるグラウンド……少し感心するよ
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年1月10日 23時