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2日後、再び月奈と連絡を取った。
《私の出来る限りで調べました。
トレッドの本拠地はパリ近郊にあるビル。表向きはおもちゃ会社としてファミリーのサブが経営しています》
「人が多いとそういうことも出来んだろうな」
《構成員の数は、今年の3月に調査された時点で男106名女18名の計124人となっています。しかし新たに加入した可能性も否定できません》
『手練か……』
《メンバーの約八割が戦闘経験者。建物内に一般的はいません》
「つまり会社全体が奴らの城って訳か。しかもビルは9階建て。こりゃあ骨が折れるぞー」
『場所が分かれば後はこっちでやる。ありがとう月奈』
《……叶多様。先日の失礼な態度、大変申し訳ございませんでした》
『!……いや、あれは当然の反応。寧ろあれ以上の罵倒は覚悟してた』
《……出来ませんよそんな事》
『あとさ……ごめんね。こんな危ないことさせて。月奈はもうこっちの世界の人間じゃないのに』
《私がやりたくてやったことです。ご心配なく。私とて無能ではないので処理は抜かりありません》
『……フッ、変わんないね』
《叶多様も、その眼はお変わりないようで安心しました》
『うん、ありがとう。……じゃあ』
《はい。お元気で》
プツッ……
『……よし、始めよう。
暁、明日Crowのボス、サブ、あとサイバーを連れてきて。場所は仮拠点』
「分かった」
アスターのプログラムに月奈からの情報を組み込んだ。
『……アスター』
《はい、何でしょう》
『トレッドが経営してる会社名と、建物の内部構造を探って』
《かしこまりました。分析時間約1時間》
起動画面をそのままに、私はドクターに電話をかけた。
『あーもしもし?』
《なんだ》
『あんたパリに同業者とかっていない?』
《……何するつもりだ》
『任務でパリに行くことになった。武器は持ち込めないから現地調達するしかない』
《いることはいる。ただ性格が少しアレでな》
『……大丈夫さ』
《金は多めに持ってけ》
『うん。分かった』
性格がアレ?なんだそんな事か。
私の方が狂ってる自信があるから大丈夫だよ。
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年1月10日 23時