32発目 ページ34
『殲滅……か』
「フランスまで行けってことか」
『だろうな。行くまでは問題ないとして、問題はその後』
「位置の割り出しに武器調達、計画は昨日の比にならねぇぞ」
……仕方ない。気が進まないが
『アスター、コード
《コード0003、接続します》
「……いいのか」
『まぁね。いつまでもウジウジしてんのは私の主義じゃない』
古いコードだ。sparrow時代に使われていた、今で言うコードネーム。当時は皆番号で区別されていた。
テレビ画面に懐かしい顔が映る。
《お久しぶりです叶多様》
『……うん、久しぶり』
sparrowの元幹部であり、父の右腕。
『急にごめん。……月奈』
《……いえ》
暁の姉。朱雀月奈。
「弟に再会の挨拶はナシか?」
《まだ生きてるようね。暁》
「姉貴こそ」
『月奈。……頼みがある』
《……なんでしょう》
『……フランスマフィア"トレッド"について調べて欲しい』
《……そちらにはアスターがいるのでは?》
『アスターにも限界がある。アスターの限界は私の限界だ』
アスターは
《私はもう手を引きました。残念ですが『ごめん』……?》
『月奈達を追い出してしまって、本当にごめん』
私は画面に向かって頭を下げた。
『ずっと謝りたかった。父さんが死んでファミリーが解散になった時、私は月奈達を引き留めるべきだった。私がファミリーを率いなきゃいけなかった』
《っ……顔を上げてください。あなたはそんな事する人じゃない》
「姉貴。辛かったのは、苦しかったのは姉貴だけじゃねえよ。姉貴がそっちで1からやり直したみたいに、俺らだって1から始めたんだ」
《分かってる。……だから言うのよ。
──────協力するって》
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年1月10日 23時