誇りが5つ ページ6
あーあ、みんな我先に聞いちゃって……
『やめないか皆。お館様の前だぞ』
「「「!!!!」」」
「大丈夫だよ嘉柳。
鬼舞辻はね、炭治郎に向けて追っ手を放っているんだよ。その理由は単なる口封じかもしれないが、私は鬼舞辻が初めて見せた尻尾を掴んで離したくない。
恐らく禰豆子にも、鬼舞辻にとって予想外の何かが起きているのだと思うんだ。分かってくれるかな?」
「分かりませんお館様!人間ならば生かしておいても良いが、鬼は駄目です。承知できない」ザシュッ
『はぁ』
「お館様…!証明しますよ俺が、鬼という物の醜さを!!」
まったく……こうなったらとことん話を聞かないからな
実弥は禰豆子の入った箱を部屋の中へ持っていき、刀を刺して禰豆子を傷付け、自らの血を垂らした。稀血だからってそんな簡単に自分を傷付けないでほしいんだがなぁ……
「伊黒さん、強く押さえすぎです。少し弛めてください」
「動こうとするから押さえているだけだが?」
『ならば小芭内、私が押さえよう。決して逃がしはしない。信じてくれまいか』
小芭内は何も言わずに変わってくれた。ありがとう
『炭治郎、あまり抵抗すると血管が破れるぞ。やめておきなさい』
「っでも禰豆子がァ!!」
『その状態で呼吸を使えば死ぬぞ』
グッ、と腕の拘束を深める。禰豆子は実弥を睨みつけて息を荒らげている。このまま実弥に噛み付けば、2人は……だが
「!!」プイッ
炭治郎の呼び掛けで我に戻ったのか?実弥に3回も刺されたのに?自分の意思で攻撃しなかったのか?興味深いな……
『……義勇、離してくれないかな』
「……」
結局2人は無実、身柄は一時的に蝶屋敷で受け持つ事となった。
「炭治郎の話はこれで終わり。さて、柱合会議を始めようか」
会議はいつもと変わらない、任務報告だ。
『下弦の伍か……』
「この頃下弦にしか遭遇しないな。なぜ上弦が出てこない」
『小芭内、彼らも必死なんだよ。自分が殺されないように』
「死にたくないのなら鬼になどならなければいい」
『そうなんだけどさ……』
ならざるを得ない状況にあった鬼もいたんだろうな。
「嘉柳ちゃん!甘味処へ行かないかしら?」
『いいよ蜜璃。私も団子を食べたかったんだ』
しのぶは屋敷でやることがあると言って誘えなかったが、久しぶりの団子は美味かった。
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2020年10月25日 19時