誇りが24つ ページ26
『!…………ゆめ、か』
「オ館様ガオ呼ビー!シキュウ向カエー」
『お館様が……?すぐ行くよ』
何があったんだろう。しかし今はすこぶる気分が悪い。頭も痛いし、なんなら吐き気もする。体調が良くないのは明らかだ。でもそんな事言ってられない。しのぶにも迷惑はかけられない。
『……あ』
「む!カヤも呼ばれたのか!」
『……ああ』
「?どうした!元気がないな!」
『大丈夫だ』
「炎柱様と地柱様がお着きになられました」
「よく来てくれたね杏寿郎、嘉柳」
「お館様!一体何用でしょうか!新しい任務でしょうか!」
「そうだよ。近頃ある所で行方不明者が続出しているんだ」
『ある所……とは。目星はついておられるのですか?』
「"無限列車"」
列車……
「消えた人は皆列車内で消えているみたいなんだ。既に数名の子供達を送ったのだけど、残念ながら消息を絶ってしまった……」
消息を絶った?死んだではなく?……消えた、とはそういう事か。
「ならば柱である俺達が行きます!」
『その為にお呼びになられたのですね』
「お願いするよ。2人ならきっと出来るはずだからね」
「『御意』」
「嘉柳」
『……なんだい』
あ、分かったぞ。言おうとしていることが。
「『十二鬼月』」
「ではないだろうか」
『私もそう思っていたところだ。しかし妙なのは、隊士が何故抵抗も出来ずに消えたのか。列車の中といえど、鬼が出れば対処出来る程にはなっているはずだ』
「……余程強い鬼なのかもしれない。だから柱が呼ばれたのだろう」
『そうだな。では明日、その列車に乗り込もう』
「分かった」
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2020年10月25日 19時