誇りが18つ ページ20
「違う!私は醜くなんてない!私は神よ?あの童磨でさえ教祖止まり。でも私は神なの!」
『はぁ……
さようなら』
刀を振りかざした瞬間、背中に強い衝撃。踏ん張って倒れはしなかったが、結構強かったな……
「させない!」
『……こいつの仲間か』
「お姉ちゃんを……お姉ちゃんをいじめるな!」
幼い鬼だ。しかもお姉ちゃん?家族?いや下弦の伍の時は家族ごっこだった。本当の家族ではなかった。姉弟揃って鬼にされるなんて聞いた事もない。
『可哀想に……鬼舞辻に鬼にされたんだな。望んでもいないのに……』
「何を言う!私達は望んであの方に血を分けていただいたの!他と一緒にしないで!!」
地の呼吸
肆の型
『地竜』シャキッ
「……は?」
「お姉ちゃん!頸斬られちゃったよぅ!」
ボロボロと崩れていく。哀れだなぁ……
『弟擬きは蔵を守っていた鬼だな?』
「!……擬きなんかじゃない。私の弟よ」
首と胴体が離れた状態で話す姉
『しっかり斬ったはずだが、お前は死なないな。何故だ?』
「ふふっ、そりゃあ私が神だからよ」
また巫山戯たことを……
『ならば何故再成しない』
「……」
『再成出来ないんだな?』
「出来るわよ!」
毒を塗った手足も、当然首も再成しない。やはり出来ないんだな。
「なんで……なんで再成しないのよ!?私は出来るはずなのに……!」
東の空が明るくなっていく。
『もうすぐ夜明けだ。そこで何も出来ないまま喚いていろ』
「いや……嫌よそんなの!死ね!死ね死ね死ね死ね!!!」
『喧しい頭だなぁ……早く消えてくれる?亡くなった人達の為にもさぁ』
「死ね!鬼狩りなんてどうせみんな死ぬのよ!人間は弱い!無惨様に勝てる訳がない!!」
『そうかい。ならば貴様を否定する為にも、私達は必ず鬼舞辻を倒すとしよう』
朝日が昇る。蔵の2人を出さなければ。
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地の呼吸 肆の型
地竜(じりゅう)
地を這う竜のように速く、狙いが読みづらい斬撃。威力は差程強くはないが、正確さはピカイチ。
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2020年10月25日 19時