誇りが13つ ページ14
『今日も手応えなし、か……ふむ』
最近は弱い鬼ばかりで少々燃焼不足だ。柱に稽古を頼みたいが、多忙な身故にそんなことも言えない。はてどうしたものか……
「うあぁぁ!!!」
『地の呼吸
弐の型 隆起』
ザシュッ
「ガフッ……ガァ……」
『大丈夫でしたか?』
「お、鬼が……!?あんたは……」
混乱しているな。当然か、なんせ鬼殺隊は政府非公認の組織、一般人は何も知らずに生きているのだから。
『夜道は危ないですよ。こうして鬼が出る。なるべく出歩かないことをおすすめします。
それと、今日怒ったことは悪い夢とでも思ってください』
「!……は、はい。ありがとう、ございます」
手応えはないが、こうして救えるのはやり甲斐があるな。ありがとう、と言ってもらえるのは本当に嬉しい。
『では私はこれで』
「あ、あの!」
"お名前を、教えてくれませんか……?"
今までだってあった。たくさん。名前を教えて欲しい、また会えたらいいですね。その度に私は振り向かずにこう言うのだ。
『私は未熟者故、全ての人々を救わねば名乗る価値もないと思っています。どうか、これからの人生を大切にして頂きたい。』
その場を駆け抜ける。次の任務に行かねば。
次は
「西ノ集落二鬼ー!既二35名ノ隊士ガ死亡ー!」
35人も……柱が必要になったか。十二鬼月だったりするだろうか……
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地の呼吸
弐の型、隆起
地面が隆起したように下からの斬撃。振り方は炎の呼吸、弐の型、昇り炎天と同じ。速さは昇り炎天の方が速いが、威力は隆起の方が強い。
ほとんど同じ稽古をしていた為、杏寿郎の型と似たような型がいくつかある。
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2020年10月25日 19時