煉獄家長女、守ります。【鬼滅の刃】 (ページ11)

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誇りが10つページ11

ｶｧｰｶｧｰ

「ん……」

よもや、どうやら寝ていたらしい。普段ならばこんな無防備に寝ることはないのだがな。

いや、カヤの傍だから寝ていられたのか……

今日はもう任務がない。カヤも俺もゆっくりできるはずだ。

ふと、視界に入った俺と同じ髪を撫ぜる。ふわふわしていて心地良い。

俺達は双子だ。上も下もない。いつも対等だった。そしてお互いをお互い以上の存在として見てきた。血肉を分けた片割れ。好敵手であり、師であり、家族だった。信じているから背中を預けられる。振り返らないでいられる。常に隣にいると知っているから。

「"お前は私が守る"……か」

いつだったか告げられた決意。俺は鬼殺隊、人々を守る立場だ。そう言ったら

『なら守る者は誰が守るのだ？』

心底不思議だとでも言いたげだったのを鮮明に覚えている。

『私はお前を守る。お前は私を守ってくれ。そして2人で皆を守ろう。私達ならそれができる！』

そうだな。お前はいつも真っ直ぐで、情熱に燃えている。俺のように顔や言葉には出さないけれど、人々を救おうという熱意と煉獄家の誇りは誰よりも大切にしている事を、俺はよく知っている。

「凪、君はカヤのどのような所を知っている？」

首を傾げる鎹鴉。無理もないな。よもやよもやだ。

「俺は本当に嬉しいんだ。カヤと共に生きてこられて」

どうしても離れたくないと思ってしまう。

『んぅ……きょ、じゅろ……』

「起きたか」

『寝てしまったか』

「俺もだ！」

『もう夜になる、晩飯を食べていけ』

「そうさせてもらおう！」

『そうだ、天元を呼ぼう。美味い酒を持ってきてくれるだろう。凪、頼む』

「ワカッター！」

夕陽に照らされる俺達。お前も綺麗だと思っているのだろう。

「む！久しぶりに呑むか！」

『"派手に"な』

宇髄の口癖を悪戯っ子のように口に出したカヤは、年よりも幼く見えて俺は嬉しくなった。