「あーメンドクサイなー」 ページ8
「だーかーら、何も知らんって言ってんじゃん。僕はたまたま居合わせただけで、困ってたから助けてあげた。別に僕は社長さんを殺すつもりなんてなかったし？逃げたのだってヴィランの意志でしょーが」
「そうだとしても、今朝の事も含め故意に個性を使った事は看過出来んな」
「あーメンドクサイなー」
はぁ〜……僕とした事が最後の最後でヘマをするとはね。思ってたより賢かったらしいヒーローが、他のヒーローや警察官に連絡を入れて先回りさせてた、
おかげでこのザマ、今日はツイてないなぁホント。
「てかさ〜君、警察官じゃないのに取り調べとかすんの？」
「少しお前と話したい事がある。用が済んだら代わる」
「僕人見知りだから、初対面の犬っころとは上手に喋れなーい」
「……お前、いくつだ」
「歳なんていちいち数えないよ。君もそうだろう？」
「大人と子供の感覚を一緒にするな。
親はどうした」
「ンなもん居ないね。おかげでこの通り自由にやってんのさ」
「親戚は。学校も行ってないのか」
「ネチネチうるさいヒーローだなぁ……僕は施設育ち。宗教系のヤバい所だったから学校も行ってない。これで満足かい？」
「…いつ施設を出た」
「忘れた」
即答すると、男性……ことイレイザーヘッドは、目を閉じて長いため息を吐いた。せっかく正直に答えてやったのに、失礼な奴だなぁ。
「はぁ……報告を見る限りじゃ、お前は未成年。やってる事も相対的に見ればイタズラ程度。人を殺したり建物を破壊した訳じゃない」
「そりゃあ面倒だし楽しくないからね」
「いいかよく聞け。お前にとっちゃ今から言う事は取引に聞こえるかも知れんが……受け入れれば"面倒"は無くて済む」
眠たげな三白眼を真っ直ぐ向けてくるヒーロー。……ふぅん、何か面白そうだ。と、傾聴の姿勢を示す。
「今までの事と今回の事を厳重注意で済ます代わりに、バカげた事はやめて施設に入れ」
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2022年8月17日 12時
