あべこべ君【僕のヒーローアカデミア】【男主】 (ページ7)

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「今朝ぶりだね」ページ7

「クッソ……！おいっ！もっと早く言えよ！！」

「ひどいな〜それが出来たらこんな事にはなってないんだぜ？」

「"ピストル"に"あべこべ"だな。組んでたのは初耳だが……」

朝のヒーローだな、捕縛布が相変わらず鬱陶しい。無精に伸びた髪も、見てて鬱陶しい。

「ちょいちょい。あべこべじゃなくて"あべこべ君"。そこ間違えないでくれよ？」

「どうでもいいな。とりあえずこのまま警察に連れて行く、大人しくしてろ」

ご丁寧に手までキレイに拘束してくれちゃって……選択肢が一気に減っちゃうよ。

今朝の事件と照らし合わせると、恐らくこの人の個性は、対象の個性を無効化するものかな。敵なしの個性ではあるけど、それなりに制限やリスクもあるはず。でも……それを探ってる時間は無い。

「俺はこんなガキと組んじゃいねぇ！！」

「…何だと？」

「こいつが勝手に話しかけてきやがったんだ！知らねえうちに浮かせられてるしよ、俺だって逃げたくて逃げたんじゃねえよ！こいつに脅されて」

「脅したのは事実だけど、捕まりたくないって思いがあったから逃げたんだろう？"こんなガキ"に責任転嫁は頂けないなぁ」

「んだと！？生意気なクソガキがァ！！」

「一旦黙れ」

男性はヴィランを気絶させてしまった。

「おー……すご、一瞬で気絶させられんだぁ…」

「……お前、何が目的だ」

「ん？目的？」

ゴーグルの奥の目が、僕を見定めるように睨んでくる。

「目的かぁ……

アバウトに言うなら、享楽の追求、かな」

「！！お前……っ」

手が伸ばされ、お面に掛かる。紐を引きちぎられ、お面が顔から離れる。男性の顔が驚きに変わった。

「やあこんにちは、今朝ぶりだね。でも……残念だけど、君とお話する気は無いよ」

気を失っているヴィランを見つめる。穴が開くほど強く、強く。

「"スイッチ"」

僕が呟くと、ヴィランと位置が変わる。捕縛布との間に隙間が出来たので抜けた。ヒーローの手が届くより先にその場から走り去る。

「何があるかわかんないからねー、体力温存は鉄則だよねっ」