あべこべ君【僕のヒーローアカデミア】【男主】 (ページ18)

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「僕が信じられるのは君だけだよ」ページ18

聞かせるつもりなのか気付いてないのか知らんけどね、聞こえてんだよね〜全部。

警戒しろだの、望んで歪んだ訳じゃないだの、好き勝手言ってくれちゃってさ。でもマイクの言う事は間違いじゃないね。救いを求めたがらないってやつ？確かに僕は救われたいだなんてこれっぽっちも思っちゃいない。

ショータの勘はよく当たる。それはここ数週間で嫌という程知った。だが、今回だけは当たらないだろうね。僕の事に関する勘は、絶対に当たらない。ショータに僕が計り知れるなら、とっくの昔に僕は捕まってるはずだから。

「救い、ねぇ……そんな事言ってた時期もあったっけ」

高潔を謳っては醜く縋り付く。神の救済に肖らんとするその様には、嫌悪や呆れを通り越して憐れみさえ覚えた。

「救われた、とか証明出来るはずもないのに。ねぇ？三平方の定理ちゃん」

所詮自己満さ。アクティビティの一種とでも考えれば、少しは気が楽かもしれない。何かに縋る人間ほど、おぞましいものは無いからね。ああいうものを見せられる側の気持ちにもなってもらいたいものだ。

ああいう奴らは、ヒーローに自分達が助けられるとは思ってない。だから、ヒーローは役立たずだと教えられた。祈れば助かる、外の世界に助けを求めてはいけないってね。バカバカしい、どちらも同じだって事になんで誰も気付かなかったんだろう？

確証なんてどっちにも無かったでしょ？神にも、ヒーローにも。

「んま神よりだったらヒーローの方が、実体ある分余地はあるけどね〜」

時間の無駄ではあるけど。

「僕が信じられるのは君だけだよ、"あべこべ君"」

お面を被れば視界が狭まって安心が僕を包む。今日はもう寝よう、風呂は明日の朝でいいや。

「……おやすみ世界」